Snapdragon W5+ Gen 1
米Qualcommは7月19日(現地時間)、ウェアラブル向けの新プラットフォーム「 Snapdragon W5+ Gen 1」と「Snapdragon W5 Gen 1」を発表した。4nmプロセスノードで設計されており、前世代に比べてパフォーマンスや効率性が大きく向上している。パートナーメーカーとしてOppoとMobvoiが最初に同プラットフォームを採用、すでに25デザインのスマートウォッチの開発が進んでいるという。
Qualcommでスマートウェアラブル事業を率いるPankaj Kedia氏をインタビューしたThe Vergeによると、同社はスマートフォン向けチップをベースにせず、ウェアラブルデバイス向けとしてW5+ Gen 1/W5 Gen 1を設計した。これまでのSnapdragon Wearブランドを廃止し、Snapdragon Wという新ブランドでウェアラブル向けの新設計をアピールする。
W5+はAONコプロセッサ(Qualcomm QCC5100)を備えたプレミアムスマートウォッチ向け、コプロセッサを備えないW5はフィットネストラッカーや子供用スマートウォッチなどメーカーがより柔軟なデザインが可能。
W5+はSoC(システムオンチップ)のプロセスノードが4nm、コプロセッサが22nmだ。Snapdragon Wear 4100はSoCが12nm、コプロセッサが28nmだった。Apple Watch Series 7が搭載するW3チップは7nmプロセスだと言われている。また、SamsungのExynos W920は5nmプロセスを採用している。4nmだからそれらより優れているとは言えないが、4nmの採用はQualcommのウエアラブルプラットフォームも最新のプロセス技術で競争できるようになることを意味する。
コプロセッサとのハイブリッド構造で、Bluetooth 5.3、Wi-Fi・GNSS・オーディオの低消費電力利用、Deep SleepやHibernateなど低消費電力ステートをサポート。Qualcommによると、W5+は前世代(Snapdragon Wear 4100+)と比べて消費電力が50%少なく、2倍のパフォーマンスとリッチな機能を提供。「パフォーマンスの向上は、3Dウォッチフェイス、リッチなリアルタイムマップ、さらには双方向のビデオ通話といった没入感に優れたユーザー体験を可能にします」としている。また、より薄くて小さなデバイスのデザインも可能。スマートウォッチのエコシステムの拡大が期待できる。