人生の中でも最も大きな、高価な買い物の一つであるマイホーム。住宅の購入にあたっては、自己資金の他に住宅ローンを利用するケースも多いことだろう。

住宅ローンは金利のタイプによって「変動型」「固定期間選択型」「全期間固定型」の3つに大別される。それぞれ金利タイプの選択に際しては、今後の金利の上昇リスクや、それに伴う月々の、あるいはトータルの返済額がどう変化するかなどをあらかじめ想定することが必要だ。

そこで今回は、「持ち家」に住んでいるマイナビニュース男女会員503人を対象にアンケート調査を実施。「今後1年間、住宅ローンの金利は上がると思うか」などを聞いた。

  • 今後1年間、住宅ローンの金利は上がると思う?

Q.あなたは住宅ローンを利用していますか?

「はい」(44.3%)
「いいえ」(55.7%)

Q.今後1年間、住宅ローンの金利は上がると思いますか?

「上がると思う」(42.2%)
「下がると思う」(3.1%)
「ほぼ変わらないと思う」(31.8%)
「見当がつかない」(22.9%)

Q.その回答を選択した理由を教えてください(自由回答)

■「上がると思う」

<変動型>
・「アメリカの金利上昇が波及してくると思います」(47歳男性/専門商社/営業関連)
・「円高にするために金利を上げると思う」(53歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
・「金利上昇局面だから、日銀の金利政策が変わる可能性がある」(46歳男性/証券・投資銀行/事務・企画・経営関連)
・「先進国の長期金利が上昇傾向で、日本もそれに伴う可能性があるから」(37歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「日銀総裁が変われば多分金利は上がる。物価も上昇してるしね」(37歳男性/教育/公共サービス関連)
・「物価高などのニュースをみていると、そんな気がする」(42歳男性/通信関連/営業関連)

<固定期間選択型>
・「アメリカで利上げがされており、物価高がまだ止まらないから」(39歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「コロナが落ち着きジワジワと経済が持ち直しているから」(35歳男性/輸送用機器/販売・サービス関連)
・「インフレリスクが高まっているから」(56歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/営業関連)
・「実際に銀行の住宅ローンの金利が上昇し始めている」(43歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職)
・「世界情勢を見ると、この金利ではもう日本はやっていけない」(50歳女性/専門商社/事務・企画・経営関連)
・「世界が金利を上げていっているのに日本は一人負け状態」(45歳男性/設計/メカトロ関連技術職)

<全期間固定型>
・「アメリカの中央銀行が利上げを続けており、しばらく上がると思われるから」(39歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「下がると思う」

<変動型>
・「景気が良くなる気配がない」(43歳男性/その他/その他技術職)

<固定期間選択型>
・「景気が悪いし、上がる要素がないから」(42歳女性/その他/その他・専業主婦等)

<全期間固定型>
・「景気と関係するから」(35歳女性/農業協同組合/営業関連)

■「ほぼ変わらないと思う」

<変動型>
・「ここ20年間変わらなかったので」(51歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「金利を上げる体力が、日本という国にはないから」(58歳男性/その他金融/営業関連)
・「市中金利が上がっても、すぐには同調しないと思われるので」(57歳男性/人材派遣・人材紹介/営業関連)
・「日銀の黒田総裁の任期が切れるまでは、政策の変更はないと思う」(59歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「変動金利が上がる経済状況にないから」(42歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「住宅ローン金利は、他のものよりも景気などの影響を受けにくいと思うから」(48歳男性/農業協同組合/営業関連)
・「固定金利は上がりそうだが、変動はしばらく変わらなさそう」(48歳男性/精密機器/その他技術職)
・「世界的に上昇傾向であると思うが、日本の場合変動金利にしている人が金利を上げられると払えない人が多数出てくる」(40歳男性/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職)
・「景気等の経済状況を考えると、今から近い将来までは金利は上げたくても上げられないと思う」(51歳男性/公益・特殊・独立行政法人/公共サービス関連)

<固定期間選択型>
・「なんとなくだが、特に変わりそうな気配がないから」(29歳男性/食品/その他・専業主婦等)
・「まだ、コロナの影響がしばらく続くから」(50歳女性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)

<全期間固定型>
・「コロナが終息しない限り変わらないと思います」(44歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「日銀が無制限の国債買い入れオペで、長期金利を0.25%に誘導しているからです」(52歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)

■「見当がつかない」

<変動型>
・「不動産業界の景気が分からないから。悪かったら上がるだろうし、良かったら下がると思う」(23歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「物価は上昇しているのですが、金利は不明です」(48歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)

<固定期間選択型>
・「ウクライナ戦争しかり、コロナしかり、情勢がどのように動いていくか分からないから」(42歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「もはやこの状況では見当がつかない」(37歳男性/サービス/営業関連)

<全期間固定型>
・「ウクライナやコロナウイルスなどで世界情勢は不安定だと思う」(42歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「経済の環境が悪い方向に向かっている日本なので、悪化する気がします。が、どうなるかは、わかりません」(49歳女性/食品/営業関連)
・「固定なのであんまり気にしていないのでわからない」(43歳女性/その他/その他・専業主婦等)

■総評

住宅状況が「持ち家」のマイナビニュース男女会員に住宅ローンの利用状況を聞いたところ、利用している人は44.3%となった。

「今後1年間、住宅ローンの金利は上がると思うか」という問いに対しては、「上がると思う」が42.2%で最多となった。以下、「ほぼ変わらないと思う」(31.8%)、「見当がつかない」(22.9%)と続く。金利が「下がると思う」と答えた人は、わずか3.1%だった。

ちなみに、選択した金利タイプ別に見てみると、「変動型」は「上がると思う」34.4%、「下がると思う」5.4%、「ほぼ変わらないと思う」41.9%、「見当がつかない」18.3%。

「固定期間選択型」は「上がると思う」53.8%、「下がると思う」1.3%、「ほぼ変わらないと思う」20.5%、「見当がつかない」24.3%。「全期間固定型」では「上がると思う」38.4%、「下がると思う」1.9%、「ほぼ変わらないと思う」30.8%、「見当がつかない」28.8%だった。

「変動型」では「上がると思う」割合がやや低く、「ほぼ変わらないと思う」が高い。「固定期間選択型」は「上がると思う」割合が高く、「ほぼ変わらないと思う」が低い傾向がうかがえる。

それぞれの回答の理由としては、「上がると思う」では、「アメリカの利上げ」や「世界情勢を見て」とする声が目立った。アメリカをはじめとする世界各国が政策金利を引き上げる傾向にある中で、日本だけが無縁ではいられない、と言うことだろうか。また、日本国内のインフレリスクや物価高などから、日銀が政策転換をする可能性がある、といった意見も見られた。

「ほぼ変わらないと思う」理由は、今の日本の経済状況から「現状の超低金利政策を変更するのは難しいのでは」というコメントがあった。また、「住宅ローン金利は、市中金利にはすぐには同調しない」という観点から、"今後1年間"であれば「ほぼ変わらない」という見解も見られた。

ごく少数ながら、「下がると思う」という意見もあった。こちらは、「とにかく景気が悪いので、下がるしかない」といった考えのようだ。

「見当がつかない」では、「ウクライナやコロナウイルスなどで世界情勢が不安定」など、変数が多すぎて予想がつかない、とする意見が代表的なものだろうか。

住宅ローンの利用者にとって、住宅ローンの金利がどう推移していくかは大きな関心事だろう。とくに「全期間固定型」以外の金利タイプ、「変動型」や「固定期間選択型」を選択している場合には、金利の上昇はその後の生活や人生設計に直接影響しかねない大きな問題だ。

今回のアンケートでは、「今後1年間、住宅ローンの金利は上がると思う」人は4割を超え、多くの人がやや悲観的な見通しを持っていることがわかった。これから住宅ローンを組もうと考えている人にとっても、大いに示唆に富む調査結果となっているのではないだろうか。

調査時期: 2022年7月7日
調査対象: 住宅状況が「持ち家」のマイナビニュース男女会員
調査数: 503人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません