7月15日、都内某所でひさびさの現地開催となる発表会「HP Japan INNOVATION SUMMIT」が開かれました。発表会ではHPを取り巻く事業の環境についてや、HPが持つ豊富なIP(知的財産)を生かしたソリューション、さらに先進的な取り組みとして、エンドユーザーにはあまり馴染みのない「プリンティング事業」についても紹介。製品としては新ノートPC「HP Elite Dragonfly G3」などの投入が発表されました。
今回この発表会に参加してきたので、内容についてダイジェストでお届け。発表会にはHP米国本社CEOを務めるEnrique Lores (エンリケ・ロレス)氏も動画で登場し、アメリカではかなり珍しいという勤続33年目の秘密についても語られました。
HPはビジネス向けソリューションでも存在感
はじめに、日本HP代表取締役 社長執行役員の岡戸 伸樹氏が登壇。新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークの普及により、現在では在宅・出社をフレキシブルに切り替えて働くハイブリッドワークに注目していると説明。現在でも利便性とセキュリティの両立が強く求められているとして、同社のビジネス向けソリューション「HP Wolf Security」の導入事例について紹介しました。
そんなHPの顧客となる企業にとって、強く関心が寄せられているというのがDX(デジタルトランスフォーメーション)や、既存の製品・サービス・事業の付加価値向上だといいます。HPといえば我々一般消費者は「PCの会社」と感じるところですが、HPの事業はそれだけにはとどまりません。昨今注力しているというプリント事業においては、従来の平面への印刷技術に加え、3Dプリントの活用も推進中。「HP Jet Fusion」シリーズとして提供が行われており、日産自動車やトヨタ自動車で採用されているといいます。なんでも、3Dプリンタの採用によってこれまでの製品よりも圧倒的に小型・軽量化できたパーツがあったり、試作プロセスの大幅な高速化を実現したとのこと。
HP米国法人CEOのエンリケ・ロレス氏は勤続33年目
日本HP社長の発表に続いて、事前収録されたHP米国法人CEOのエンリケ・ロレス氏との対談動画が放映されました。内容についてざっくり紹介すると、HPはグローバルで成長を継続。ゲーミング、周辺機器、ワークフォース・ソリューション、個人向けサービス、デジタル印刷と3Dプリンティングのすべての成長分野で2桁台の成長を遂げ、今年度末までに成長分野での売上額が100億ドルを超える見込みだと話します。
個人的に興味深かったのは、米国法人CEOのエンリケ・ロレス氏がインターンから数えてなんと勤続33年目を迎えたという話。アメリカでは「ジョブホッパー」のような言葉に代表されるように、たくさんの企業を渡り歩いて仕事をする人が多くいます。エンリケ氏によると、この長期間の勤続には同社のカルチャーが寄与したとのこと。各分野におけるプロフェッショナルと仕事をする機会に恵まれ、同社の事業におけるポリシーに共感できたことが、長年にわたって働き続けて来られた要因だと話していました。
3Dプリンタのサンプルに触れる
会場には、そのHPが力を入れていると話す3Dプリンタ「HP Jet Fusion」で成形されたサンプルに触ることができました。用途や構造に応じてさまざまな素材が用いられているとのことで、軽さと堅牢性を両立。精緻な意匠や入り組んだ構造にも対応しており、継ぎ目がないのに可動して驚きました。
HP Elite Dragonfly G3は折りたたみ式でUSB Type-A端子を続投
最後に、会場に展示されていたHP Elite Dragonfly G3の実機についてもご紹介。詳細は初出時のニュース記事に詳しく書きましたが、やはりなんといってもアスペクト比3:2のかなり縦に広いディスプレイを採用している点がポイント。とてもモダンな印象で、薄型軽量で高い生産性を維持しています。