300mm化と次世代半導体の開発を推進
今回の新規投資は同社にとって新たな技術革新分野の開拓につながるものとなるという。例えば、レーザーセンサ向けSoCなどが候補となっており、改善を進めることによる小型化、スマート化による製造コストの削減を目指しているとするほか、コンシューマ分野での適用にも向けたMEMSの改良なども進めており、スマートグラスのつる部分に組み込める超小型プロジェクションモジュールの開発などを行っているとする。また、同社ではドレスデン工場における300mmウェハによるMEMSセンサについて、2026年より生産を開始する計画としている。
一方のロイトリンゲン工場では、2021年末からSiCパワー半導体の量産を開始。これを活用することで、電気自動車(EV)やハイブリッド車は航続距離を最大で6%延長できるようになるとしている。自動車業界からのSiCパワー半導体に対する注目度は高く、すでに同社に対する注文も相当数におよぶという。また、eモビリティ用途としてはGaNベースの半導体も開発しているとするが、実用化には、さらなるロバスト性の向上と最大1200Vの耐圧性を確保する必要があるとしている。
なお、同社では近年、半導体事業に対する投資を継続して進めており、2021年6月にオープンしたドレスデンのウェハ工場は単一投資としては最大となる10億ユーロが投じられたほか、ロイトリンゲンの半導体工場の拡張も計画的に進められており、2025年までに約4億ユーロが投じられ、3600m2のクリーンルームが増設が進められ、2025年末には現在の約3万5000m2から4万4000m2以上に拡大される予定だという。また、マレーシア・ペナンでも新たな半導体テストセンターを建設中で、2023年からの稼働が予定されている。