パナソニックは、2022年夏のエアコン節電状況を調査した結果を発表。あわせて、エアコンの節電ポイントを紹介した。
2022年夏のエアコン節電について、「政府が、家庭や企業に対し、今夏の節電を要請していることを知っていますか?」という問いに86%が「はい」と回答し、今夏はより節電を意識したいとの質問にも、86%と高い節電意向があった。
しかし、政府が節電方法として呼びかけたエアコンの設定に関する「28℃」について、エアコンの「設定温度」と誤解している人が多いことが判明した。
この28℃はあくまでも「室温」であり、「政府の節電要請で定める“28℃”とは次のうち何の設定だと思いますか?」という質問に正しく回答できたのはわずか9%であった。
環境省のクールビズのWebページでも、「冷房の設定温度を28℃にしても、室内が必ずしも28℃になるとは限りません」として、「室温28℃は冷房の設定温度のことではありません」と明示している。
エアコンは室内機の内部にあるセンサーで温度を測定しているため、設定温度と実際の室温が、家の構造や日当たりなどの影響で異なるケースがある。
そのほか、エアコンの手入れ不足で能力が発揮できていないケースもあることから、温度計などで室温を確認しながら室内温度を調整することが重要だとしている。
室内温度については86%が自宅の室内温度を確認する方法があると答えた一方で、14%はそういったものが「ない」と回答した。
エアコンの風量設定に関して、パナソニックの調査では「微風」は「自動」に比べて設定温度に到達するまでの消費電力が20%高く、到達するまでの時間が6.4分長いという結果が出た。「自動」と「微風」とで消費電力が少ないのはどちらだと思うかを聞いたところ、約4割が誤解していた。
「微風」は一見節電に繋がりそうだが、人が調整するよりも賢く室温をコントロールしてくれる「自動」を積極的に活用することをパナソニックは呼びかけている。
パナソニックは、エアコンの節約術として、外気温によって「つけっぱなし」と「こまめに消す運転」を使い分ける方法を紹介している。
外気温が35℃以上の猛暑日のような場合は室温が上昇しやすいため「つけっぱなし」運転がお得だが、30℃程度までであれば室内温度がそこまで上がらないため、「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながることが判明したという。
また、フィルターにホコリが付いた状態で運転させるとモーターやコンプレッサーに負荷がかかるため、「つけっぱなし」運転の場合でも24時間稼働は行わず、1日のうち数時間はエアコンを休ませて、自動おそうじ機能や内部クリーンを活用することを推奨している。
エアコンの汚れは、能力の低下や消費電力の増加、本体の寿命を縮めることにつながる。パナソニックの実験結果では、フィルター掃除をすることで年間約1万円以上電気代を節約できることがわかった。
自動お掃除機能つきのエアコンでも、油汚れやたばこのヤニ汚れ、ペットの毛や長期使用でついたにおいは取れないため、フィルターを取り外して水洗いする必要がある。汚れがひどいときは薄めた中性洗剤でつけ置き洗いし、直射日光やドライヤー乾燥を避けて十分に乾かす。お掃除機能なしのエアコンでも、フィルターは前述の方法で洗うことでお手入れできる。
エアコンの風も上手に利用すると冷房効率が上がり、節電に繫がる。冷たい空気は低い場所にたまるため、一般的に冷房時は「上向き」で風を送ると広範囲を冷やせる。扇風機やサーキュレーターを併用して冷気のムラをなくすことも勧めている。
冷房の温度を1度上げるだけで約10%の節電になると言われるが、設定温度を下げるよりも風量を上げた方が節電になるという。冷房を1度上げて風量を上げることで、年間約1,200円以上の節約になるということだ(パナソニック製品「CS-F401D2」を使用、電気代27円/kWhの場合)。
ほかにも、部屋の中に直射日光が入らないようにする、エアコンの室外機の周りに物を置いたり囲ったりしない、10年以上前のエアコンを使っている場合は買い替えるといったことでも節約になるとしている。