東京商工リサーチはこのほど、「新型コロナウイルス」関連破たん状況(7月15日16時現在)を発表した。それによると、新型コロナ関連経営破たんは、負債1,000万円未満も含めると全国で累計3,847件に上った。
企業の息切れがコロナ破たんを押し上げる可能性
負債1,000万円以上の新型コロナ関連経営破たんは、全国で累計3,680件(倒産3,533件、弁護士一任・準備中147件)発生。2021年の年間件数は1,718件と2020年(843件)の約2倍に増えた。2022年も6月までの累計は前年同期比30.7%増の1,029件と高水準が続いており、7月も15日時点で90件発生している。
都道府県別のコロナ破たん件数をみると、10件未満は1県、10~20件未満は4県、20~50件未満は24県、50件以上100件未満は9府県、100件以上は9都道府県に拡大。最も多いのは東京都の783件で全体の2割強(構成比21.2%)を占め、次いで大阪府363件、福岡県184件、愛知県182件、神奈川県161件、兵庫県158件、北海道146件、埼玉県136件、静岡県100件となった。
業種別では、来店客の減少や休業要請などの影響を受けた飲食業が593件で最多。以下、建設業が413件、アパレル関連(製造、販売)が278件、飲食料品卸売業が164件、宿泊業が137件と続いた。
同調査では、「これまでコロナ関連融資などに依存して資金繰りを繋いできた中小企業にとって、本業の立て直しとともに、新たな運転資金の確保が経営課題として浮上している。据え置き期間が終了し、コロナ関連融資の返済も本格化するなか、返済のめどが立たずに行き詰まるケースが増加している。こうした企業の息切れがコロナ破たんを押し上げる可能性が高まっており、『中小企業活性化パッケージ』の各施策など、企業支援の実効的な運用が急がれる」としている。