【なんだこれ】3Dプリンターは何でも作れる魔法の箱…ではない! モジャモジャな失敗作を投稿した理由とは? - 「ナイスモジャ!」「糸唐辛子作ってる」

3次元のデジタルモデルをもとに、立体物を作り出せる3Dプリンター。「データを入れれば何でも作れる夢の道具」と思いきや、現実はそう甘くはないようです。

電子工作や3Dプリンターを使った作品を手掛ける、Twitterユーザーの「きょうへい@はーどうぇあえんじにあ」(@kyouhei_craft)さんの投稿が話題になっています。

3Dプリンターはなんでも作れる魔法の箱とお考えの方へ

現実はコレです。(@kyouhei_craftより引用)

(@kyouhei_craftより引用)

「現実はコレです。」と投稿された写真には、3Dプリンターの上にヒガンバナのような糸唐辛子のようなモジャモジャとした物体が乗っています。これは一体……。

投稿者のきょうへいさんに伺うと、こちらは温度計の外装部品を作製する予定だったそう。土台のようなものは見えますが、完成形が全くわからない無残な姿に。

ちなみに想定していた完成形はこちらのようです。

提供元：きょうへい@はーどうぇあえんじにあ(@kyouhei_craft)さん

この投稿には「えーッ!? 何を作ろうとしてこうなったのでしょう」「なんでこんなすごい事に」といった驚きの声や、「これはベビースターラーメンを作りたかったんですよね? よくできてるじゃないですか()」「なるほど………3Dプリンターで糸唐辛子作ってるですね」「安心と信頼の現代アート製造機……」というコメントが続々と寄せられています。

また、この失敗は3Dプリンターを使っている方にはあるあるのことのよう。「少なからず1回はそうめん作ったり、実用しがたい色で造形しますよね。」「ナイスモジャ! きちんと印刷していても、なぜか次のプリントでぐちゃぐちゃになったり、なんで急に糸引き始めたん? とか色々ありますよね。」「何十時間の待機時間と騒音と電気代を発生させる『プラスチックちぢれ麺製造機』それが3Dプリンター。」と、失敗作の写真や共感のリプライも。

「3Dプリンター=立体物ならなんでも作れるスゴイ機械」と思いきや、一筋縄ではいかないようです。今回なぜこの失敗作の写真をツイートしたのか、投稿者のきょうへいさんにお話を伺いました。

投稿者に聞いてみた

――温度計の外装部品を作製する予定だったとのことですが、なぜこのようにモジャモジャになってしまったのでしょうか。

3Dプリンターの失敗には様々な原因があります。よくある失敗は造形物が反ってしまい、印刷の途中にベッド(造形台)からズレたり、材料が出るヘッドの位置がズレてしまうことですね。ほかにもノズルやベッドの温度、印刷スピード、ノズルとベッドのクリアランス(隙間)などといった印刷設定に原因があったり、室温や湿度、風の当たり方といった印刷環境が関係する場合もあります。また、フィラメント(材料樹脂)の保管状態も印刷品質に影響します。

――失敗には様々な要因があるんですね。今回のツイート、投稿のきっかけをお教えいただけますでしょうか。

先日の安倍元首相が銃で撃たれて亡くなった事件で、犯人の使用した銃が手製の物だと報道されました。その結果「3Dプリンターで作ったのでは?」「3Dプリンターがあれば誰でも簡単に銃が作れる」などと言った短絡的な意見も見かけました。3Dプリンターを愛用する立場から「3Dプリンターはそんなに簡単ではない」と意味を込めて、あえて造形に失敗した写真を使用してツイートしました。

――銃や武器でもデータさえあれば「何でも作れる魔法の箱」と勘違いしてしまいそうですが、そう簡単ではないのですね。

3Dプリンターはもちろん使い方を誤れば危険な道具かもしれませんが、それは全ての道具に言えることです。一般の方から見ると馴染みの薄い3Dプリンターは、ちょっとしたことで「何でも作れる危険な道具」と誤った認識をされかねません。

今回のツイートのリプライ欄には紹介として私の作った作品もツイートしています。少しでも、3Dプリンターはかわいい小物や便利なアイテムが作れるステキな道具、と認識してもらえると嬉しいです。