マウスコンピューターが、クリエイター向けブランド「DAIV」にて新たに発表した16型ノートPC「DAIV 6」シリーズ。発売は7月7日~7月下旬にかけて順次というものだが、実機を見る機会があったので少し詳しく紹介しておきたいと思う。この新製品、使用する目的別にラインナップを設定し、実用性重視で軽さ・薄さと性能のバランスをとった設計など、従来機から路線変更した部分が多く、見所が結構あるのだ。
クリエイター目線で4モデル展開の新ラインナップ
本体サイズや内部スペックのバリエーションをひろく取りそろえることで、ユーザーが好みのモデルを選んで欲しい、というのは同社のPC製品全般で言える特徴だが、今回の「DAIV 6」シリーズではこれがちょっと違う。
ラインナップの4モデルは、使用目的に4K動画編集や3D CADを想定した「DAIV 6H」、RAW現像や動画編集の「DAIV 6N」、イラスト制作やDTMの「DAIV 6P-RT」、ウェブデザインやかんたんな画像編集の「DAIV 6P」という構成だ。まず実用時の利用シーンがあり、それにあわせてモデルを選んで欲しいというコンセプトだ。
4モデルで共通するポイントとして、ボディに軽量・高強度なマグネシウム合金の採用、ACアダプタまで小型化、しかし第12世代Intel Coreベースで性能を強化、ディスプレイはアスペクト比が縦に広い16:10のWQXGA(2,560×1,600ドット)で、作業領域の広さを確保、Thunderbolt 4など豊富な拡張端子、映像&音響面はDolby Vision・Dolby Atmosで充実などなど。ほか主な仕様も以下でまとめておく。
・DAIV 6H
OS:Windows 11 Home
プロセッサ:Intel Core i9-12900H
グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti
メモリ:DDR5-4800 32GB(16GB×2)
ストレージ:1TB (NVMe Gen4×4)
ディスプレイ:16型2,560×1,600 (WQXGA) 液晶パネル (ノングレア / Dolby Vision対応)
サイズ:W353.7×H18.5×D245.3mm
重さ:約1.65kg
価格:369,800円
発売:7月7日
・DAIV 6N
OS:Windows 11 Home
プロセッサ:Intel Core i7-12700H
グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 3060
メモリ:DDR5-4800 16GB(16GB×1)
ストレージ:512GB (NVMe)
ディスプレイ:16型2,560×1,600 (WQXGA) 液晶パネル (ノングレア / Dolby Vision対応)
サイズ:W353.7×H18.5×D245.3mm
重さ:約1.64kg
価格:269,800円
発売:7月7日
・DAIV 6P-RT
OS:Windows 11 Home
プロセッサ:Intel Core i7-12700H
グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB(8GB×2)
ストレージ:512GB (NVMe)
ディスプレイ:16型2,560×1,600 (WQXGA) 液晶パネル (ノングレア / Dolby Vision対応)
サイズ:W353.7×H18.5×D245.3mm
重さ:約1.55kg
価格:239,800円
発売:7月下旬
・DAIV 6P
OS:Windows 11 Home
プロセッサ:Intel Core i7-12700H
グラフィックス:Intel Iris Xe
メモリ:DDR4-3200 16GB(8GB×2)
ストレージ:512GB (NVMe)
ディスプレイ:16型2,560×1,600 (WQXGA) 液晶パネル (ノングレア / Dolby Vision対応)
サイズ:W353.7×H18.5×D245.3mm
重さ:約1.49kg
価格:199,800円
発売:7月下旬
クリエイターPCの「大きくて重い」イメージを変えたい
DAIV 6シリーズの前世代機にあたるのは「DAIV 5N」となるが、画面サイズが16インチに大型化しているにもかかわらず、重量は約1.73kgから削減され、再重量モデルでも1.65kg、最軽量モデルでは約1.49kgへと軽くなった。本体の厚みも約20.6mmから約18.5mmへと薄型化された。4辺狭額縁化で、フットプリントもサイズの割に省スペースなので、実機は数値以上に持ち運びやすく感じる。
加えてACアダプタが大幅に軽量化され、DAIV 5Nが約685gだったところから半減。開発担当者は、本体の軽量化とあわせて、持ち運びの時の総重量で「500mlペットボトル1本分」の重量削減になると説明していた。ちなみに、軽量化の上でバッテリは大型化しており、DAIV 5Nのバッテリ駆動時間は公称で約6.0時間、今回のDAIV 6のバッテリは公称で約11.5~12.5時間と倍増しているので、そもそもACアダプタをカバンに入れなくていい場面も増えるだろう。
このあたりは部材にマグネシウム合金を採用した威力が出ているが、第12世代Intel Coreや、モデルによっては高性能GPUを追加しているので、内部の冷却機構が実はかなり強力になっている。今回、CPUの冷却用グリスに液体金属グリスを用いており、ヒートパイプも追加した。底面と背面には吸排気用のスリットがかなりの大開口で設けられている。実機ではちょっと動作させたくらいでは本体が熱くなることもなく、冷却効率はかなり上がっている印象だ。なお大開口とは言っても、本体底面はフラットなので、スッとカバンに入れ易くはある。
クリエイター向けということでインタフェースは豊富。CPU&GPUや、バッテリ容量を見てもわかるが、サブ機というより、メイン機として実用に耐えられるように作られている感がある。本体左側面にセキュリティースロット、USB 3.1 Type-C、USB 3.0 Type-A、SDカードリーダー、ヘッドホン出力/マイク入力端子、本体右側面にはThunderbolt 4、USB 3.0 Type-A、HDMI、電源端子が設けられている。
キーボードもキーピッチが従来の約18.75mmから約19mmにひろがり、白色LEDのバックライトも装備。それと、見た目のインパクトにもなるほど、タッチパッドがかなり大きい。かなり大きなタッチパッドなので、キーボード作業がメインの時に邪魔にならないよう、パッドの左右半分づつの領域に独立して、感度のオン/オフを切り替えできるスイッチも搭載している。
今回のDAIV 6シリーズ、モデルによっては発売が7月下旬からとまだ先だが、最上位の「DAIV 6H」や汎用性の高い「DAIV 6N」は7月7日から販売を開始している。マウスコンピューターの直営店舗でも入荷が始まっており、実機に触ってみることもできる。持ち運びの感覚や、キーボードとタッチパッドの使い心地など、筆者は既存機とは実用感がかなり違うと思ったのだが、このあたりはやはり体験してみた方がわかりやすい。店頭で姿を見かけたら試してみるとよいだろう。