東武鉄道は15日、特急スペーシアの新型車両N100系の愛称名を「スペーシア X」とし、2023年7月15日から運行開始すると発表した。あわせて「スペーシア X」の愛称ロゴが披露され、運行ダイヤと特急料金・特別座席料金についても発表された。

  • 新型特急車両N100系「スペーシア X」エクステリアデザイン(イメージ)

同社は6~7月に「みんなで新型特急スペーシアの愛称を予想しよう! キャンペーン」を実施。2万名を超える応募があり、「スペーシア X」に多くの票が集まったという。愛称名に関して、利用者の認知度が高く、日光・鬼怒川エリアへの輸送の代名詞として定着している「スペーシア」の伝統とイメージを維持・継承しつつ、より上質なフラッグシップ特急として、「進化したスペーシア」を端的に表現したいとの思いがあったと説明する。

その上で、新型車両を通じた「Experience」(旅体験)をはじめ、「Excellent」「Extra」「Exciting」「Extreme」「Exceed」といったさまざまな価値を提供。「文化や人が交わり(cross=「X」)縁をつくる存在」「未知なる(X)可能性を秘めた存在」でもあることから「X」を着想し、特急スペーシアの正統進化を想起させる「スペーシア X」を愛称名に決定した。新型車両では、鹿沼組子の「X」模様をエクステリアデザインのモチーフに取り入れており、新たに披露された愛称ロゴも、鹿沼組子をイメージした書体を新規に開発。エクステリアデザインとの統一性を持たせた。

  • 「スペーシア X」の愛称ロゴ等も披露。鹿沼組子をイメージした書体を新規に開発した

「スペーシア X」は全6種類の多彩なシートバリエーションも特徴としており、それぞれの特急料金・特別座席料金も決定。現行「スペーシア」の特急料金は平日1,360円・土休日1,470円だが、「スペーシア X」の特急料金は「スタンダードシート」1,940円、「プレミアムシート」2,520円となる。各種特別座席を利用する場合、「スタンダードシート」の特急料金に加え、特別座席料金も必要に。「コックピットラウンジ」の特別座席料金は1人用200円・2人用400円・4人用800円、「ボックスシート」(2人定員)の特別座席料金は1室400円、「コンパートメント」(4人定員)の特別座席料金は1室6,040円、「コックピットスイート」(7人定員)の特別座席料金は1室1万2,180円となっている。

新型特急車両N100系「スペーシア X」は2023年7月15日にデビュー。浅草~東武日光・鬼怒川温泉間(東武スカイツリーライン・日光線・鬼怒川線)で運行され、浅草駅、とうきょうスカイツリー駅、北千住駅、春日部駅、栃木駅、新鹿沼駅、下今市駅、東武日光駅、東武ワールドスクウェア駅、鬼怒川温泉駅に停車する。毎日2~4往復(4往復の運行日は週末を中心に設定予定)を運行し、観光に便利な時間帯でのダイヤを検討中。より詳細な運行計画等は決まり次第、改めて発表する。

  • 新型特急車両の愛称名と運行概要に関する記者発表会を実施。「スペーシア X」の特急料金・特別座席料金も紹介された

なお、7月15日に行われた記者発表会にて、「スペーシア X」の導入計画に関する説明もあり、「まず来年7月に2編成、その約1年後に2編成を導入し、4編成体制で運転する予定」とのことだった。