東京商工リサーチは7月15日、「大手外食チェーン値上げ・価格改定調査」の結果を発表した。国内の大手外食業者120社を対象に2022年1月以降で値上げ、または値上げを伴う価格改定を調べた。

値上げ理由、「原材料の高騰」が最多

  • 主な「値上げ・価格改定」を公表した企業

大手外食業者120社のうち、メニューの値上げを公表したのは53社(構成比44.1%)だった。

53社が展開する66ブランドについて業態別にみると、「ファストフード」が最も多く11ブランド。次いで「中華(ラーメン店を含む)」が9ブランド、「コーヒー」・「ステーキ・焼肉チェーン」が各8ブランドと続き、輸入食材に依存する業態が多い結果となった。

値上げ幅については、「5%以上10%未満」が21ブランド(同58.3%)で最多。以降、10%以上15%未満」が5ブランド、「3%以上5%未満」・「3%未満」が書く4ブランド、「15%以上」が2ブランドと続いた。10%以上の値上げは7ブランド(同19.4%)で、単価が安いファストフード系のメニューの中には20%以上の値上げ商品もみられたという。

値上げの理由については、「原材料」の高騰が55ブランド(同83.3%)でトップ。詳細をみると、小麦(6ブランド)や肉(4ブランド)、コーヒー豆(4ブランド)の価格上昇による値上げが多く、業態ではファストフードやコーヒー店、焼肉店が多かった。

以下、「物流」が38ブランド(同57.5%)、「人件費」が18ブランド(同27.2%)、原油高を含む「資源」が15ブランド(同22.7%)と続いた。

同調査では、「原材料価格の高騰や世界的なサプライチェーンの混乱が商品コストを急激に押し上げ、外食産業は大手と言えども販売価格への転嫁が避けられない状況に直面している。大手外食業者では 2年連続の値上げや、 1年間に2回以上の値上げも現実味を帯びている」と分析している。