思いついたことや忘れてはならないことの記録に使うiPhoneアプリといえば「メモ」。キーボードからの入力はもちろん、Siri経由の口述筆記にも対応しているから、いつでもどこでも雑記帳/備忘録として利用できます。手書きのイラストや写真といったビジュアル機能も充実していますが、やはり文字ベースのアプリといえます。
そんなメモアプリですが、使える字体/フォントはiOSに標準装備されているもの(システムフォント)に限られます。和文に対応するのは「ヒラギノ角ゴシック」と「ヒラギノ丸ゴ ProN」、「ヒラギノ明朝 ProN」の3種類で、4段階の文字サイズ(タイトル/見出し/小見出し/本文)と2段階のウェイト(W6/W3)、可変幅と等幅、下線と取り消し線しか文字装飾には利用できません。
ワープロアプリと比較すると、メモアプリの文字修飾機能は簡易的なものです。文字サイズの調整は行単位にかぎられるうえ(1文字だけサイズを変更しても行全体に適用される)、標準装備の和文フォントには斜体がない、文字に黒以外の色を設定できない、など多くの制限事項があります。
しかし、工夫次第で"それらしく"見せることも。たとえば、二重取り消し線。メモアプリに二重取り消し線の機能はありませんが、下線と取り消し線の両方を適用すれば、二重取り消し線に近いテイストに仕上がります。
文字に色を付けることも不可能ではありません。電話番号やWEBページのアドレス(URL)、メールアドレスなど特定のフォーマットと判断された文字列は、編集確定後に下線付きのオレンジ色で表示されます。タップするとWEBブラウザで開く、メールを新規作成するなど所定の動作を伴うハイパーリンクになるわけですが、黒一色のテキストの中で目立つことは確かです。