メイク前のスキンケア方法はどのような手順で行っていますか?
「テキトーに保湿さえしておけばいいかな」と思っている方もいるかもしれませんが、メイク前のスキンケアでメイクのノリや持ちは大きな差が出ます。
今回は元美容部員がメイク前のスキンケアの手順やコツについて徹底解説します。正しいスキンケア方法を理解して、テカり知らず・メイク崩れ知らずの肌を目指しましょう。
メイク(化粧)前のスキンケアは必要?
メイク前のスキンケアは必要です。きちんとお手入れされた肌は、潤ってやわらかくなります。この潤いと柔軟性がメイクのノリと持続に直結するのです。
毎晩きちんとお手入れしている方でも、1日の中で肌はどんどん水分が失われて乾燥していきます。乾燥を放置すると肌が潤いを守るために過剰に皮脂を出し、その皮脂がメイク崩れの原因に。また、粉を吹いたり皮剥けしたりした部分は、メイクが密着しないので崩れやすくなります。
せっかくのメイクを持続させるためには、朝晩の丁寧なスキンケアが重要なのです。
メイク(化粧)前の理想的な肌は?
では、メイク前はどんな肌に整えておくのがベストなのでしょうか。 何かを塗って保湿しておくだけでいいかというと、そういう訳でもありません。ただ塗っただけできちんとなじませていないスキンケア方法だと肌がベタついてしまい、メイク崩れの原因になってしまうからです。
メイク前のベストな肌状態は、水分と油分のバランスが整った肌。自分に合ったスキンケアアイテムが適量塗られており、なじんでいる状態です。
その状態を見極める目安として、以下の項目をチェックしてみましょう。
- 顔の高い部分にツヤがある
- 肌の上で指が滑らず軽く引っかかる
- ティッシュを貼り付けても落ちる
乾燥しておらずツヤ感がありつつも、ベタベタしていない肌がメイク前の理想の肌です。
顔全体がテカテカと光っている状態やヌルヌル滑る状態は、油分が多すぎたりなじんでいなかったりする証拠です。また、ティッシュを肌に重ねたらベタっと張り付いた場合も、スキンケアがなじんでいない状態です。スキンケアがなじんでいる状態であれば、貼り付けたティッシュは1秒ほど経てば落ちてしまいます。
メイク前は、上記のチェック項目全てに当てはまる肌状態を目指してスキンケアしましょう。
メイク(化粧)前スキンケアの順番とコツ
メイク前にベストな肌状態がわかったところで、実際にスキンケアの手順を解説していきます。 アイテムごとに塗り方のコツも紹介しますので、いつものスキンケアに取り入れてみてくださいね。
メイク(化粧)前スキンケアの順番1.洗顔
朝の洗顔において、洗顔料を使う方とぬるま湯のみで済ます方がいると思います。洗顔はその時の肌状態に合わせて行うのがベストなので、ベタつきが気になる場合は洗顔料を使用し、皮脂が足りておらず乾燥している場合はぬるま湯での洗顔をしましょう。
朝の洗顔はその時の肌状態によって変える
洗顔料を使った洗顔には、汚れ(皮脂・角質・ホコリなど)を落とす効果があります。
夜は日中ほどホコリがつきやすい環境ではないものの、スキンケアで潤っている肌は汚れが付着しやすい状態です。
また、眠っている間も皮脂は分泌されます。分泌された皮脂は空気に触れると酸化し、毛穴の黒ずみやニキビなどの肌トラブルの原因になることも。皮脂はお湯だけでは落としきれないので、皮脂が多いことによるテカりやベタつきが気になる場合は洗顔料を使った洗顔がおすすめです。
■洗顔する際のポイント
- しっかり泡立てる
- 肌を直接こすらない
- 額な鼻などの皮脂が多い部分から洗う
肌を綺麗にしようと思うと、ついゴシゴシこすりたくなりますが、それは肌にとって逆効果。たっぷりの泡で、手が肌に触れないくらいの圧で洗います。この時、テカりやすい額や鼻から洗いましょう。乾燥する部分は長い時間洗顔料をのせていると、必要な皮脂まで流してしまう可能性があります。まずはテカりやすい部分から洗顔料をのせましょう。
一方で、肌の乾燥が強く皮剥けしていたり、皮脂が極端に少なくカサついたりする肌質の方は洗顔料なしでの洗顔の方が合っている可能性があります。 必ずどちらかに限定するのではなくその日の肌状態に合わせて選びましょう。
メイク(化粧)前スキンケアの順番2.化粧水
洗顔後につける化粧水は、コットンでつけると広い範囲にムラなく塗ることができます。しかし顔には凹凸があるので、細かい部分は指でなじませる方がいいです。コットンを使用する場合も、最後は手でなじませるのがベスト。
直接肌に触れることで、その日の肌状態のチェックにもなりますよ。
化粧水は少量ずつ重ね塗り
化粧水をたっぷりつけたいからといって、一度にたくさんの量をつけていませんか? 多すぎる化粧水は肌になじみ切らずに蒸発してしまいます。
化粧水は500円玉程度を肌に丁寧になじませ、なじんだあとにまた適量取って重ね塗りしましょう。コットンで塗る時も手で塗る時も、最後は手のひら全体を使って体温で温めながらハンドプレスします。
肌表面に水っぽさがなくなりツヤが出たら化粧水は終了です。
とろみ化粧水は量に注意
とろみのある化粧水は粘度を高めるために、増粘剤が使用されています。増粘剤が水分を抱え込んでくれるので、保湿力が高いのが特徴です。
しかし増粘剤はその後につける化粧品との相性や摩擦によって、ポロポロとカスのようなものが出るのがデメリット。とろみ化粧水は、量や次につける化粧品との相性を考慮して使用しましょう。
メイク(化粧)前スキンケアの順番3.美容液
美容液は化粧水と乳液orクリームのお手入れにプラスする、美容効果が高いスキンケアです。 ピンポイントで肌悩みに特化したお手入れもできるので、気になるお悩みがあれば使用しましょう。
両頬、額、あご、鼻の5箇所に置き、そこから滑らせるように顔全体に伸ばしていきます。
手のひらで押し込むように塗る
美容液を優しく顔全体に広げたら、手のひらで押さえ込むようにハンドプレスしてなじませます。 広い面ばかりを押さえてしまいがちですが、まぶたや小鼻などの細かい部分にも手が当たるように動かしましょう。
しっかりなじむと、肌が手に吸い付くようなもっちりとした質感に。 くすみやすい唇の周りや、手で塗る時に隙間ができやすい鼻筋にもきちんと塗れているか確認をして、美容液は終了です。
季節によって質感を変えるのがおすすめ
美容液の質感は様々で、化粧水のような水っぽいものから乳液に近いようなとろみのあるものまで幅広いです。 配合されている成分にもよりますが、水っぽいものは比較的さっぱり使え、とろみのあるものは保湿力も高い傾向にあります。
季節によって肌状態やお悩みは変わるので、スキンケアを見直す時にはまず美容液から見直すのも一つの手です。
メイク(化粧)前スキンケアの順番4.乳液orクリーム
スキンケアの仕上げに乳液やクリームでフタをします。 メイク前のスキンケアで乳液やクリームを省略してしまう方が非常に多いですが、とても大事なポイントです。
最後にフタをしないのは、美味しい料理を作ったのに保存の際にラップをしないのと同じこと。ラップをしないと乾燥して、せっかくの料理の美味しさを半減させてしまいますよね。丁寧にお手入れした肌を乾燥させないためにも、最後はフタをして潤いを保ちましょう。
塗り方は美容液と同じように5点置きしてから伸ばしますが、置く分量に注意します。 乳液やクリームは油分が多いので、乾燥が強い部分には多めに、皮脂が出やすい部分には少なめに置きます。 脂性肌や混合肌の方は鼻には置かず、なじませたあとの手に残った分を鼻に塗る程度が適量です。
手のひら全体でなじませる
乳液やクリームは肌の上で優しく滑らせながらなじませますが、この時強く擦ると摩擦が起きてしまいます。摩擦は肌の大敵。摩擦が積み重なると乾燥に繋がったり、小さな傷をつけて炎症が起こったりすることもあるので注意しましょう。
乳液やクリームは、肌が動かない程度の優しい力で顔の中心から外側に伸ばします。 この時指先だけを使うとスキンケアが上手くなじまず、肌表面に油っぽさが残ります。指先から手のひらの付け根まで、全体を使って少ない工程でなじませましょう。
また小鼻のキワや唇の下、目の上は顔のへこんでいる部分なので、指先で細かくなじませる必要があります。 なじませムラがあるとメイクをした時にヨレの原因になるので、漏れのないようになじませましょう。 きちんと全体がなじんでいることを確認したら、乳液やクリームは終了です。
部分使いや乾燥のレベルで切り替える
顔の中で特に乾燥しやすい部分は、皮脂の少ない目周りや口周りです。 この部分には追加で乳液やクリームを塗るか、保湿力の高いアイテムをプラスします。 目周りであれば目元専用のアイクリームを使うのがおすすめ。 毛細血管の多い目周り特有の、クマやむくみなどの悩みに特化した製品が出ています。
混合肌の方はTゾーンに合わせてさっぱりした使用感の乳液を使い、乾燥する部分にクリームをプラスすると顔全体でバランスが取りやすくなります。
メイク(化粧)前スキンケアの順番5.日焼け止め
乳液やクリームまで塗ったら、最後は日焼け止めです。日焼け止めは季節問わず首まで使用しましょう。
日焼け止めまでがスキンケア
紫外線の強い時期だけ使うという方が多い日焼け止めですが、紫外線は一年中降り注いでいるため、一年を通して毎日塗るのがベストです。日焼け止めまでがスキンケアだと思って、メイクをしない日でも塗るようにしましょう。
紫外線が与える肌への影響は大きく、 乾燥や日焼けだけでなく、ハリのもとになるコラーゲンへのダメージにも繋がります。 特に皮膚の薄い顔と首は忘れずに塗ることをおすすめします。
スポンジを活用するとムラなく塗れる
日焼け止めはムラなく適量を塗ることに意味があります。 手には指の凹凸があるので、ムラなくしっかり塗りたい時はスポンジを使用するのがおすすめです。
美容液のように顔の5箇所に日焼け止めをのせ、スポンジで叩くように塗り広げます。 中心から外側に滑らせると顔の外側に日焼け止めが溜まってしまい、肝心の中心部分に塗れていないことがあります。 特に日を浴びる中心部分に塗り残しがないよう、スポンジで叩きこむように塗りましょう。
手で塗るより油っぽさもなくなるので、メイクもしやすくなりますよ。
メイク(化粧)前におすすめのスキンケア成分【肌質別】
スキンケアの手順とコツを理解したところで、肌質別におすすめのスキンケア成分ご紹介します。
全ての肌タイプの方に共通するのが、保湿が必要だということです。どんな肌の方でも、水分は蒸発していきます。ベストバランスに整えるためには、肌の水分補給はとても大切です。
まずは水分バランスを整える保湿成分から見ていきましょう。
セラミド | 細胞の間を繋ぎ、水分の蒸発を防ぐ |
アミノ酸 | 角質層内に水分を蓄える |
ライスパワーNo.11 | セラミドの生成サポート |
ヘパリン類似物質 | 水分を引き寄せて保持する |
肌の表面にある角質層は、水分を保つ機能があります。ここの水分と油分のバランスが崩れると、乾燥を繰り返す悪循環になってしまいます。
よってどの肌タイプでも、肌の水分をキープする成分は必要なのです。
続いては肌質別におすすめなスキンケアの選び方やおすすめ成分の紹介です。
メイク(化粧)前におすすめのスキンケア成分【乾燥肌】
水分と油分が両方不足している乾燥肌の方は、水分をキープする成分を取り入れるだけでなく油分も補うお手入れを意識しましょう。乾燥肌の方におすすめな成分はこちらです。
ワセリン | 肌表面で膜を張り、水分を保つ |
スクワラン | 皮脂に含まれる成分スクワレンを安定化させたもの、バリア機能サポート |
ミネラルオイル | 肌を保護して水分を守る |
皮脂が少ない乾燥肌は、潤いを守る皮脂膜が薄いことが多いです。乳液やクリームなどで油分を補ってあげると皮脂膜の働きをサポートできます。上記の成分は肌の潤いを保つ効果が高い油分の成分なので、ぜひこれらが配合されている化粧品をチェックしてみてくださいね。
また、スキンケアにオイルをプラスするのもおすすめです。
メイク(化粧)前におすすめのスキンケア成分【脂性肌】
水分量に比べて皮脂量が多くテカりやすい脂性肌の方は、水分を補うお手入れがおすすめ。また、先述した水分をキープする保湿成分もおすすめですが、皮脂をコントロールする成分を取り入れることもポイントです。
ライスパワーNo.6 | 過剰な皮脂分泌を抑える |
ビタミンB6 | 皮脂量の調節 |
アゼライン酸 | 皮脂分泌を抑える |
乳液やクリームをさっぱりしたジェルに置き換える、皮脂を分解する酵素洗顔を使うといったお手入れも向いています。
皮脂が多く分泌されるから保湿をしないというのは、乾燥から肌を守ろうとかえって皮脂が多く分泌されるという悪循環になりやすいのでNG。スキンケアでは、油分をつける量を減らすなど工夫をしながら、自分に合うものを見つけましょう。
メイク(化粧)前におすすめのスキンケア成分【混合肌】
テカりやすいのに乾燥する部分もある混合肌の方は、部分的にお手入れを変えるのがおすすめです。また、肌の水分と油分のバランスを整えてくれる成分を取り入れるのもいいでしょう。
アルガンオイル | 水分と油分のバランスを整える |
ホホバオイル | 皮脂のバランスを整える |
スイートアーモンドオイル | 水分を閉じ込める |
混合肌の方は、肌の水分量を上げながら乾燥させない程度に油分を補いましょう。スキンケアのコツはTゾーンに合わせたお手入れをしたあとで、乾燥部分に保湿力のあるアイテムを重ね付けする方法。
テカりは乾燥から来ていることも多いので、水分バランスを整えて柔軟性のある肌にするスキンケアにしましょう。
メイク(化粧)前のスキンケアでメイクのノリと持ちが変わる
メイク前のスキンケア手順をもう一度復習しましょう。
- 朝の洗顔は肌の状態を見て変える
- 化粧水は少量ずつ重ね塗り
- 美容液はハンドプレスでなじませる
- 乳液やクリームは手のひら全体を使う
- 日焼け止めはスポンジを活用する
ベタつきが気になってメイク前のスキンケアをサボりがちな方も、コツさえ押さえればメイクしやすい肌に整えることができます。潤った肌はメイクが密着して、メイクの持続力もアップします。
まずは一つずつテクニックを取り入れて、メイク前に最適なスキンケアをマスターしましょう。