ひと昔にくらべ、芸能人や身近な人の離婚や再婚のニュースが、そんなにめずらしくもなくなっている昨今。婚活の現場でも、バツイチの人に出会ったところで、驚かない方も多くなってきているのではないでしょうか。

とはいえ、バツ2以上となると話は別。“事故物件扱い”になりがちです。

その理由は、おそらく「何度も失敗しているのには、何か致命的な欠陥があるに違いない」ということ。筆者も10年前くらいまではそう思っていました。

しかし結局私が選んだ人は、バツ3で子どもが5人いる、23歳年上の男性(2020年に他界)。夫と出会い生活してみて、複数の婚姻歴がある男性に対する意識が変わったのです。

そこで、バツ2以上の男性が本当に“事故物件”なのかどうか、実体験を元に検証してみます。

夫が“事故物件”とは思わなかった理由

まず、実際にバツ3の夫と付き合ってみて一番良かったのは、結婚に対して夢を持っていないこと。

初婚で同棲経験もない人は、結婚生活の具体的なイメージがつきにくいこともあり、夢を描きがち。結婚に対して楽しいことやロマンティックなことを期待する人は、少なくありません。

でも、実際の結婚生活は現実しかなく、楽しいことはもちろんありますが、ストレスも大いにあります。

それをよ~く理解していた夫は、生活についてはドライに考えていました。私もバツイチなので、一緒に暮らす時のストレスについてお互いに出し合い、改善策を事前に検討。それが間取り選びの参考にもなりました。

そして夫が“事故物件”ではないと感じたもう一つの理由は、生活をする上で「過去の失敗を活かそうとしている」ということ。

仕事でも趣味でも、一度失敗したことは次に繰り返さないようにしよう、と考えるもの。とはいえ、恋愛や結婚は自分だけで完結しにくく、さらに感情が伴うため、そううまくいきにくいのではと感じます。

しかし夫は、「過去によくケンカの種になった行動は、しないようにしている」と言っていました。確かに、感情や行動をコントロールしていた、と感じます。

例えば、私の家事の仕方が自分のやり方や考えと違っても、口を出さず、気になる時は黙って先に動く。自分の物の手入れや管理も、私に頼むことなく自分でしていました。なんなら、私が適当に放り投げていた物もきちんと片付けたり、忙しくてできない家事をいつの間にか済ましてくれたりなど、自発的に動いて生活する上でのストレスをなくすように努力をしてくれていました。

昔は、“昭和の夫”のように、家事は妻にほとんど任せきりにしていたそう。実際に何度もいろいろな人と結婚生活をしていたからこそ、学び、身に付いた行動なのでしょう。

複数の婚姻歴があっても“事故物件”じゃない人とは?

複数の婚姻歴があっても、付き合ってOKと判断できそうな基準があれば、婚活の対象範囲が広がりそうですよね。

そこで、夫と暮らしながら感じたバツ2以上でも“事故物件”ではないポイントをいくつか挙げてみます。

■失敗した理由を理解して次に活かせている

バツ1だったとしてもそうですが、やはりなぜ失敗したのかを自分で客観的に理解している人は、初婚の人よりも安定した結婚生活を送ることができるでしょう。

逆に、一方的な目線で失敗理由を語る人はNG。「自分は悪くない」「相手の●●が悪かった」と、相手だけのせいにするのは、その結婚生活の神髄をわかっていない可能性があります。もしかすると、普段から自分を正当化するクセがあるかもしれません。

別れた理由と、今後どんな結婚生活を送りたいかが具体的にはっきりしているなら、そこまで適正を疑う必要はないはずです。

■別れた相手や子どもに誠実な態度をとれる

別れた前の奥さんや子どものことを悪く言う人は、人として信用しにくいです。裏切りなどを受けて大嫌いになったとしても、第三者にその恨みつらみを吐く必要はありません。別れた人が次の彼女に自分の悪口を言っていることを想像すると、そのモヤッと感は理解できるはず。

前妻に対して誠実な態度を取っているか、子どもがいる場合は会ったり誕生日にプレゼントを贈ったりなどの父親として責任のある行動をしているか、というところがポイントではないでしょうか。

ただ、現妻としては前の家庭の人と接する夫に対して、気分の良いものではないのも確か。そこはグッと目をつぶり、誠実に接している夫に対して誇りを感じられるようになれると良いですね。

■出会ったのが〇番目だっただけ、避けずに人間性をチェック

結果的に、夫は病に倒れ、2年半前に逝ってしまったのですが、複数の婚姻歴がある人の大きなデメリットとして、やはり葬儀や相続の問題は実際発生します。

前妻や子どもへの葬儀の連絡や相続などの死後の手続きは、初婚の人の方が圧倒的に楽ですし、シンプルです。この問題だけはバツがあったり前妻との間に子どもがいたりすると避けて通れないので、覚悟が必要になります。

揉めないために、結婚した時点でお互いにしっかり話し合い、前妻や子どもの連絡先などは共有しておくことが大切です。

でもやはり一番大切なのは、お互いの相性。どんな婚姻歴があったとしても、お互いがリスペクトし合え、一緒にいて快適な人であればうまくいきます。

郷ひろみさんや吉田鋼太郎さん、土屋アンナさんなど、バツ2以上でも今の配偶者とうまくいっている人はいるもの。つまり、ベストな人といつ出会うか、というタイミングの問題なのです。私も、夫がベストな相手と出会ったタイミングが4番目だっただけだと思っています。

結婚したいと思えるほどの人と出会えること自体が、奇跡みたいなもの。もし気になる人が複数の婚姻歴があったとしても、避けずにまずは人間性を探ってみてくださいね。