テレビ東京のバラエティ特番『ヤギと大悟』が、「第38回ATP賞テレビグランプリ」(全日本テレビ番組製作社連盟主催)の情報・バラエティ部門で最優秀賞を受賞。12日、都内で行われた受賞式で、企画・演出の冨田大介氏(シオン 上席執行役員)が喜びを語った。
同番組は、千鳥の大悟とヤギが、田舎町で行き当たりばったりの散歩を繰り広げるもの。同賞では「“くだらない!”が誉め言葉のバラエティ王道企画。ヤギが主役のバラエティ!? ヤギが千鳥・大悟を引き連れて、雑草に困った人々をお助けする“ぶらり旅バラエティ”。しかもヤギの除草が燃料いらずでSDGsにも一役買っている。予測不可能なヤギに対して強面キャラの大悟が意外と動物愛にあふれているシーンも感動。こんなくだらないゼロからイチを生み出す創り手に感服。視聴後、『明日も楽しいことが必ずある』と思わせてくれる番組」と講評している。
受賞式に登壇した冨田氏は「大悟さんにこの企画書を持っていったとき、第一声が『なんやこの番組は』『誰が考えたんや』と言われたんですけど、この言葉は制作する僕らにとって最高の褒め言葉だなとその時感じたのを覚えています。今こういったご時世で、何か笑ったり癒やされたりしたいタイミングで、この番組が皆さんの癒やしになったことが、評価していただけたのかなと思っております」と話し、「我々シオンという会社は、ゼロからイチを生み出すことを常に感じて企画を考えています。素晴らしいスタッフと一緒に、今後も新しい番組を生み出せればと思っております」と決意を述べた。
この企画が生まれたのは、「息子が小学校でヤギ当番になりまして、見に行ったら、すごい雑草を食べて、子どもたちみんなにキャーキャー言われるヤギを見て、このアイドル性がすごいなと思ったんです。調べたら1日5kg食べるとか、胃が4つあるとか、未知のアイドル性に惹かれました」と経緯を説明。
第1回の放送では三宅健をゲストにオファーしたが、「ダメ元で聞いてみたところ『おもしろそうじゃーん』って言いながら出ていただきました(笑)。ロケ当日は、街の方とふれあう距離感の詰め方とか、優しく接する姿が、本当にこの番組で出したかったところでもあるので、参加していただいて良かったなと思いました」と手応えを振り返った。
『ヤギと大悟』は、特番としてこれまで2回放送。今後の構想については、「まだ言えないことがあるんですけど、これはどんどん続けていきたいなと思います」と意欲を示した。
ドキュメンタリー部門の最優秀賞は『ETV特集「“玉砕”の島を生きて~テニアン島 日本人移民の記録~」』(グループ現代、NHKエンタープライズ/NHK Eテレ)、ドラマ部門の最優秀賞は『最愛』(TBSスパークル/TBS)が受賞し、3部門の最優秀賞から選ばれるグランプリには『ETV特集「“玉砕”の島を生きて~テニアン島 日本人移民の記録~」』が決まった。