戸建てにせよ集合住宅にせよ、壁や床で隔たれた部屋はWi-Fiの電波強度が変わってきます。たとえば、リビングでは「A」というWi-Fiアクセスポイント/SSIDが強いけれど、中継機を設置している階下では「B」が強く「A」は微弱という場合、少々面倒なことになります。

iPhoneのWi-Fi機能は、いちど接続したSSIDは「自動接続」に設定され、次回以降はiPhoneを電波が届く範囲に近づけるだけで接続を開始します。しかし、電波の強弱を判断しアクセスポイントを自動的に切り替える機能はないため、部屋を移動しても(移動前の部屋では高速だった)アクセスポイントに接続したままで、より電波の状態がいいSSIDが存在してもスルーしてしまいます。

このような事態を防ぐには、通信機器側の機能/設定を利用することがベストです。手軽な方法としては、家中どこにいても同じSSIDで、しかも安定して電波が届くネットワーク環境を作り出す「メッシュWi-Fi」の導入が挙げられます。なお、同じSSIDのWi-Fiアクセスポイントを複数設置して通信エリアを広げる「ローミング」は、接続を維持したまま自動的に強い電波に切り替わるわけではないので、ここでは除外します。

通信機器の入れ替えを行わず、iPhoneだけで部屋ごとに異なるSSID/電波強度の問題をクリアするには、接続する可能性のあるSSIDはすべて自動接続をオンにしておき、部屋を移動したときには(コントロールセンターの)Wi-Fiボタンを2回タップして、Wi-Fiの切断と再接続を行います。

この方法を使えば、その時点で自動接続可能なSSIDのうち、もっとも電波強度の強いものが選ばれ接続されます。自宅など複数のSSIDがある場所でデータ通信が遅いな、もっと速度が出るはずなのにな、そういえば部屋を移動したな...というときに試してみては?

  • 部屋によって違うWi-FiのSSIDと電波強度、うまく使いこなすには