Mirai can FESでは、新スローガンに基づいて「つくる」ゾーンと「未来」ゾーンの2エリアを設ける。「つくる」ゾーンは未来館を舞台に研究開発に取り組む12プロジェクトの成果を展示しており、ミトコンドリア生合成プロジェクトのような目に見えない世界での取り組みから、「AIスーツケース」など生活に寄り添った取り組みなどを体験可能だ。
「未来」ゾーンでは「Life」「Society」「Earth」「Frontier」の4つのテーマを設定し、各テーマに沿った企画を展開する。
「Life」は人の生活に着目し、誰もが自分らしく生きる社会を支援する展示を目指すという。7月10日にはディズニー映画『ズートピア』を上映し、小鳥の言語コミュニケーションを研究する京都大学の鈴木俊貴氏とのトークセッションを開く予定だ。2022年秋には最先端の身体計測技術を活用して「健やかさ」の再定義に挑む。
「Society」では、「空想⇔実装 ロボットと描く私たちの未来」と題し、空想で思い描いた夢を科学やテクノロジーで実装する未来を感じられるようなソリューションを展示する。運転できるソファ「poimo」や、機械の身体を制御する「第6の指」などを体験可能だ。2023年をめどに、AIやロボットが我々の生活に溶け込むことで生活がどう変化するのかをうかがえるような常設展示を予定している。
「Earth」は地球環境を主テーマに、地球上で豊かに暮らし続けるためにどのような新しいライフスタイルをつくるかを示すという。エネルギー問題や気候変動、生物多様性などがキーワードだ。7月9日にトークセッション「はじめる?つづける?サステナブル -高校生&大学生と語る持続可能な未来-」を開催する。食やファッションなど身近な話題からサステナブルに興味を持った高校生や大学生と科学コミュニケータが意見を交わす。
「Frontier」では宇宙科学や過去の地球、目に見えないミクロな世界を切り口に、人類の未知の領域に挑戦する。7月10日に、イベント・ホライズン・テレスコープの日本のチーム代表を務めた本間希樹氏と「教えて!どうやってブラックホールを『見る』の?」と題したトークセッションを開催する。2023年冬には有人宇宙開発にまつわる展示を予定している。誰もが宇宙旅行に行ける時代を垣間見えるかもしれない。
未来館は今後、「Mirai can _!」の新スローガンに基づいて、「ひとの未来」「つくる未来」「みんなの未来」「未来をつくる、人をつくる」「サステナビリティ&アクセシビリティ」の5つの新しい取り組みを開始する。
特に、「ひとの未来」では上記のLife、Society、Earth、Frontierの4テーマに基づく展示や実証実験を展開する。「Mirai can NOW(ミライ キャン ナウ)」と題した取り組みでは、約2~3か月ごとにテーマを入れ替えながら先進技術を展示する。パートナーとの連携や科学コミュニケータの育成などにも注力するという。
7月8日からは、4月にリニューアルを迎えたばかりの新生「ジオ・コスモス」の新映像作品も公開する。
「Into the diverse world 多様な世界へ」として、水の循環や地表面温度などの観測データに加えて、民族や言語や音楽などに関する統計データを約4分間の映像として上映。以前よりも明るく鮮やかな映像を出力できるようになった新生ジオ・コスモスの特徴を生かして、カラフルで視覚に訴えるような映像となっている。ナレーションは人工知能が合成した人工音声を用いているという。7月8日と7月10日には1日3回、7月9日と7月11日以降は1日に4回ずつ上映する。
「Mirai can FES -ミライキャンフェス-」
開催日:2022年7月8日(金)から10日(日)
会場:日本科学未来館 1階から7階の各「Mirai can FES」会場
時間:10時から17時
料金:無料 会期中は特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」は特別料金
※詳細は公式サイトを要確認