老後、お金が必要と言われていますが、いくらお金を準備するのがいいか分からない、必要な老後資金を準備できるか不安、という方も多いのではないでしょうか?今回は、経済的に安心できる老後生活を送るために必要な金額や、毎月の積立額、どんな金融商品でお金を積み立てていくかについて解説します。
➤25歳、5000万円貯めたい!
2019年の金融庁の報告書が話題となり、関心が集まった「老後2000万円問題」。金融庁は、2017年、老後、夫婦2人の平均収入(約20.9万円)から平均支出(約26.3万円)を引くと、毎月約5.5万円不足し、30年間で合計2,000万円必要、というケースを紹介しています。
ただし、あくまで2017年の平均値から算出した金額であり、その平均値だけを参考にお金を準備すると、いざ老後のご生活を迎えたときにお金が不足する可能性があります。なぜなら、医療費や介護費といった想定外の支出もあるからです。
医療や介護も考えて経済的に老後ゆとりのある生活を送るために、一人あたり2500万円、夫婦で5000万円準備することを目標に考えていきましょう。
大学・専門学校を卒業して社会人の生活にも慣れてきた25歳の方が、将来必要な老後のお金を今から準備しようとした時に、どんな方法で準備をするのがよいのでしょうか?
➤毎月3万円なら積立にまわせます
25歳から毎月3万円を積立すると、老後を迎えた時にいくら準備できるでしょうか。年金受給開始年齢である65歳から、老後として考えます。預金の場合、65歳までの40年間で準備できる金額は、1440万円です。
3%で運用したらどうなる?
例えば、同じ3万円を年利3%で40年間運用すると、準備できる金額は約2643万円です。年利3%で老後まで運用し続けても5000万円を準備するのが難しいということが分かります。
55年かかる…
年利3%の運用の場合、25歳から55年間、運用を継続すると、約4600万円になります。つまり、80歳を迎えてようやく目標の5000万円にようやく近づくことになります。
何%だと老後までに間に合う?
それでは、65歳までの老後に向けて何%の運用をすれば間に合うのでしょうか。結論、年利6%の運用が必要です。25歳から65歳までの40年間、年利6%で運用を継続すると、約4940万円(うち元金1440万円・利息3500万円)を準備することができます。
➤どんな運用がおすすめ?
代表例として、投資信託です。投資信託に毎月一定額積立をして、積み立てたお金を複利で運用し続けることで、長い目でまとまったお金をつくることができます。また、つみたてNISAを活用して投資信託に投資をすると、20年間、運用益に対して税金がかからないため、あわせてそういった制度を活用してもよいでしょう。ただし、投資商品であるため、運用実績に応じて受取額は増減します。65歳に向けて年利6%の運用を期待して投資をしたが、それを下回る運用である場合や、元本割れのリスクもあるため、投資先を慎重に選ぶ必要があります。
まとめ
ゆとりある老後の生活を送るために、夫婦で5000万円を準備しておくとよいでしょう。今後、年金制度の改正で老後の年金受給額が減ってしまう場合や、急な支出(医療費や介護費用)などを考えると、今後より一層、老後資金の準備は必要不可欠になってきます。銀行預金で5000万円を準備するのに対して、投資信託など将来リターンが見込める金融商品でコツコツ積み立てをしていくと、少額でより将来大きなお金を準備しやすくなるため、おすすめです。老後に向けて長い期間積み立てをしていく場合、毎月の積立額やどの金融商品で積み立てるかが非常に大切になりますので、分からない方はファイナンシャル・プランナーに相談しましょう。
この記事を執筆したファイナンシャルプランナー
倉知洋平(くらちようへい)
所属:株式会社マネープランナーズ