生理学研究所は、温泉女将の「おもてなし」を脳科学的に解明したとを発表。おもてなしに長けた人ほど、相手の表情を正確に読み取れることが明らかとなったという。

  • 温泉女将の「おもてなし」を脳科学的に解明するユニーク実験

    「おもてなし」を脳科学的に解明

今回の実験では、愛知県蒲郡市の温泉宿の女将など21名(おもてなし郡)と、接客業に携わったことがない19名(おもてなし郡と年齢を一致させたコントロール郡)を対象として実験を行った。

実験では、表情を伴う顔(無表情、笑った顔、怒った顔)を見た際の脳波を計測し、比較するという内容だ。また表情を伴う顔の写真を見せて、好ましいかどうかを評価する心理学実験も並行して行ったそうだ。

  • おもてなし郡の方が、表情を伴う顔の好ましさの評価で、厳しい判断を下す

結果として心理学実験では、好ましさの評価がコントロール郡と比較して、おもてなし郡の方が低い傾向にあり、表情に鋭敏な反応を示した。このことから、同研究所は、おもてなしに長けた人は、相手の表情を正確に読み取り、厳しい評価をする分析した。

  • 表情を伴う顔を見た際に、約100ミリ秒後の左右後頭部の脳波(P100)に違いが見られた。

  • 一方、表情を伴う顔を見た際に、約170ミリ秒後の左右側頭部の脳波(N170)に違いはあまり見られなかった。

また脳波計測では、おもてなし郡は、コントロール郡よりも、速く相手の表情を読み取り、より鋭敏で正確な判断をすることが明らかになったという。