IoT製品のプラットフォームを運営するBBソフトサービスのプラススタイル事業(以下、+Style)は7月6日、オリジナルブランドの新製品「+Style マルチリモコン」「+Style センサー(CO2・温湿度)」「+Style センサー(温湿度)」の3製品を発表しました。いずれも同日発売で、専用アプリ「+Style」での操作・連携が可能です。今回、メディア向け発表会にて実際に製品に触れることができたので、レポートをお届けします。
豊富な製品ラインナップで家中の家電を連携
+StyleはIoT製品のプラットフォームを運営しており、同サイトでは国内はもちろん、世界のさまざまなIoT家電やガジェットを販売しています。また、他社製品だけではなく、+StyleオリジナルブランドのIoT製品も豊富。今回の発表会では、このオリジナルブランドの新製品を3モデル発表しました。
オリジナルIoT製品の特徴は、なんといってもすべて専用アプリ「+Style」で操作可能であること。複数の製品をひとつのアプリでスマートに制御できるほか、アプリに登録した製品同士は手軽に連携させられるメリットもあります。たとえば朝、音声でスマートシーリングライトを点灯させると、スマートカーテンが自動的にカーテンを開け、台所ではスマート全自動コーヒーメーカーがコーヒーを淹れてくれる……といった連携も実現できるのです。
既存の家電を外出先からでもまとめて操作
最初に発表された新製品「+Style マルチリモコン(PS-IRC-W02)」(以下、マルチリモコン)は、既存の家電をIoT化できるスマートリモコンです。テレビやエアコンなどの赤外線リモコンをマルチリモコンに登録することで、IoT機能のないリモコン操作型家電を外出先からでも操作できるようになります。また、スマートスピーカーと連動させれば音声操作も可能。もちろん、+Style製品との連携動作を設定もできます。マルチリモコンは複数のリモコンを登録できるため、複数あるリモコンをひとまとめにしてスッキリさせたい人にも嬉しい製品です。
+Styleでは、以前からスマートマルチリモコンを発売していますが、新製品は従来より使いやすくなりました。具体的には、まず「Amazon Wi-Fi簡単設定」に対応。AmazonのAIアシスタント「Alexa」を利用している家庭なら、電源を入れるだけで自動的にWi-Fiの接続設定からスマートスピーカーの設定まで完了してくれます。SSIDやパスワードなどを入力する必要がないため、手軽に導入が可能です。
マルチリモコン本体も改良されています。分かりやすい部分では、本体背面に壁掛け用の穴を配置し、壁のネジなどに引っかけて壁掛け設置することが可能になりました。壁に取り付けることで机の上を広く使えるほか、赤外線の送信範囲を従来より調整しやすくなりました。
従来モデルでは、本体に温度・湿度・照度センサーが内蔵されていましたが、リモコンの駆動熱で温度が高くセンシングされる難点がありました。そこで、新モデルではコード根元にセンサーを移動。センサー部を本体から離すことで、より正確な温度センシングが可能になったといいます。ちなみに、温度・湿度・照度センサー部分は取り外しも可能。リモコンを可能な限りすっきりとしたデザインで使いたい、というユーザーに向けた仕様だそう。このほか、従来モデルでは登録した順番に固定されていたアプリ上の家電アイコン位置が、新モデルでは自由に編集できるようになりました。
部屋の空調管理や換気タイミングのチェックに最適なセンサー
二酸化炭素(CO2)濃度を測定できるセンサーとして、温湿度計を搭載した「+Style センサー(CO2・温湿度)(PS-CO2-W01)」(以下、CO2センサー)と、シンプルな温湿度計「+Style センサー(温湿度)」(PS-TMP-W01)(以下、温湿度センサー)も登場しました。
人がいる部屋では、換気を怠ると二酸化炭素濃度が上昇。一定以上の濃度になると眠気や倦怠感を感じやすくなったり、長時間二酸化炭素濃度が高い環境にいると健康被害が出るともいわれています。本製品はこの二酸化炭素濃度を計測し、換気などのタイミングを促すことが可能です。本体の液晶パネル上では、二酸化炭素が正常値の1000ppmまでは数値を青色、やや上昇する1500ppmまでは黄色、注意が必要な2000まではオレンジ、それ以上の換気が必要な数値の場合は赤色で表示。換気が必要な数値になるとアラームを鳴らすことも可能です。
エアコンをフル稼働させがちな夏は、どうしても換気を忘れがち。コロナ禍で在宅時間が長くなるいまだからこそ、CO2センサーを換気のタイミングを計るひとつの目安にするのも良いかもしれません。
CO2センサーはACアダプター(USB Type-C)をつないだまま使用できますが、バッテリー内蔵でコードレスでも使用可能。バッテリー充電時間は約3時間で、満充電時は最大約20時間の連続動作が可能です(液晶画面の明るさ10%時)。ワイヤレス使用ができることで、密室になりやすいドライブ時に車内の二酸化炭素濃度のチェックにも利用できるといいます。
もちろん、+Styleアプリに登録した家電との連携も可能。二酸化炭素濃度が高くなったらマルチリモコンで連動させたサーキュレーターやエアコンを動作させ、部屋の空気を攪拌させるといった使い方も便利です。
一方、温湿度センサーは温湿度計のみのセンサー。バックライトのないモノクロ液晶画面で、電源は単3形乾電池×2本で約90日間の連続駆動が可能です。こちらはシンプルな機能だけに、5,000円以下と手軽に導入しやすい価格です。ペットを留守番させている家庭などでは、部屋の温度が高くなったらアラートを鳴らすなど、熱中症対策などにも使えそうです。
今回、センサー類を中心に新製品が3モデル発表されましたが、+Style事業本部長の近藤正充氏は今後の製品ラインナップについて「最終的な目標は、家のなかにある通電製品をすべてスマート化することだ」と語りました。さらに「センサーの強化も継続して続けたい。たとえば、椅子に座ったり立ったりすることを検知することで便利に動かせるスマート家電などもあるかもしれない」と、今後の抱負を語りました。