LGはライフスタイルTVブランド「LG OLED Objet Collection」の最新製品「Easel(イーゼル)」を6月にミラノで開催されたミラノデザインウィークで披露しました。Object Collectionはミニマリストスタイルとニュートラルカラーを組み合わせ、あらゆる部屋にシームレスに溶け込むデザインが特徴。しかもTVの画面サイズを変えることができるというのです。
Easelは65インチサイズの有機EL TVで、解像度は4K、4.2チャンネル80Wのスピーカーを搭載しています。スマート機能を装備しており、LGのスマートTVのOS「WebOS」によりインターネット機能やアプリの導入も可能。もちろんNetflixやYouTubeなどもアプリとして利用できます。本体の下側はクロス張りとなっており、ベージュ、レッドウッド、グリーンのカラバリが用意されています。このクロスはデンマークのプレミアムテキスタイルメーカー、Kvadratのものを採用しています。
製品名のEaselは、絵を描くときなどに使うイーゼルが由来です。イーゼルのように立てかけて使う設計となっており、本体の厚みはわずか54.8mm。なお縦横サイズは1,462x1,568mm、質量は52kgです。壁に貼り付けての設置も可能ですが、壁の中央に据え付けるのではなく、イーゼルのように底面側は床に接地させて置くようです。
普通のTVは使わないときは黒い画面ですが、Easelはギャラリーモードを備えており、使わないときも絵画作品の壁紙を表示し部屋のインテリアとして使うこともできます。ギャラリーモードでは静止画だけではなく環境動画も流すことができるので、ちょっとしたミニシアター気分でアートを鑑賞することも可能とのこと。
そして最大の特徴はモーターを内蔵していることで、正面のクロス張りのカバー部分「ムービングカバー」を上下させることができます。リモコンで開閉ボタンを押すと、クロスで覆われた部分がゆっくりと上昇していくのです。
クロス部分が上昇すると、TV画面が細長い「ラインビュー」状態で止まります。イーゼルにかけた布のキャンバスの上に細いディスプレイが乗っているようなデザインになるのです。部屋の雰囲気を変えたいときや、音楽だけを聴く、あるいは時計代わりにする、といった使い方ができるわけです。
ちなみに「65インチサイズ」「細長い画面サイズのラインビューに変形」のアイディアは、LGの世界初のローラブルTV「LG Rollable OLED TV R」で先に採用されています。ローラブルTVは普段は普通のTVとして使い、使わないときは完全収納、あるいは細長い形状にして写真や時計を表示するように自在に変形させることができます。
Easelも同様のことができ、ラインビューでは「時計(背景の色やデザインはカスタマイズ可能)」「音楽再生(曲名表示)」「ギャラリーモード(細長い壁紙を表示)」といった使い方ができます。他にも様々な機能を使えそうですが、Easelは家のインテリアとしてのエレガントなデザインのTVです。モーター駆動というコストのかかる機能は、高性能化のためではなくインテリアとしてのお洒落度を高めるために搭載しているのです。
ミラノデザインウィークの「LG OLED」の展示会場は、世界のインテリア業界でも注目度の高いブランド「moooi」のインテリアの中にEaselが置かれていました。クロス張りのムービングカバーはmoooiのインテリアのカラーとうまく調和。IT機器であるTVに布を組み合わせることで、無機質な存在になりがちなTVに暖かみを与えてくれるようです。またLGのTVの有機EL技術は世界でもトップクラスであり、ギャラリーモードで使うだけではなく当然のことですがTVやネット配信の映像も美しく表示してくれます。
Easelはすでに韓国で990万ウォン(約104万円)で販売中、海外でも順次発売予定とのこと。LGのTVやモニターは日本でもユーザーが多く品質・性能には定評があります。自宅に滞在する時間が増えた今、TVもインテリアに溶け込むデザインの製品を使いたいものです。Eraseの日本発売にも期待したいものですね。