サンスターは7月6日、ペット想いの除菌脱臭機「QAIS-air-」(クワイスエア)を発表しました。ペットのトイレ臭を除去することに特化した製品で、発売は9月5日、価格は38,500円です。担当者は「汎用的な用途に向いている空気清浄機ではなく、ペット用途にベストな脱臭機を作りました」と語ります。

  • サンスター、除菌脱臭機、QAIS-air-

    ペット用途に特化したというサンスターの除菌脱臭機「QAIS-air-」(QAISは、SunstarIndoorAirQualityの頭文字を逆に並べたもの)

なぜ、サンスターがペット脱臭機を?

ハミガキやスキンケア商品を展開しているサンスターが、なぜペットの除菌脱臭機? というのが率直な第一印象でした。サンスターグループでは、生活者向けの消費財事業をサンスターが手がけるほか、産業用資材といった生産財事業をサンスター技研が展開しています。今回の「QAIS-air-」は、サンスター技研が開発したもの。接着剤やシーリング材を取り扱うケミカル事業と、二輪車の金属部品などを取り扱う部品加工のノウハウを集めた新製品です。

  • サンスターグループ 広報部 中谷道子氏

    サンスターグループ 広報部 中谷道子氏

「サンスターでは健康寿命の延伸に向けて、口内の健康、全身の健康だけでなく、人を取り巻く空気環境なども含めて、心身ともに健やかで快適な生活をお客さまに提供することを目指しています」(サンスターグループ 広報部 中谷道子氏)

  • サンスター

    お口、からだ、空気環境、住空間、移動空間を健康で快適に

製品の詳細は、サンスターグループ E-サイエンス事業部の三善徹氏が説明しました。新製品の「QAIS-air-」は、現行モデル「QAIS-air-03」(2020年発売)の後継機という位置づけ。どこがどう進化したのでしょう?

  • サンスターグループ E-サイエンス事業部 三善徹氏

    サンスターグループ E-サイエンス事業部 三善徹氏

「空間除菌脱臭機」をうたう現行モデルの「QAIS-air-03」は、それなりに大きなサイズと、そしてユニークなデザインが特徴です。これまで広く家庭に導入されてきたほか、その高い静音性から、ラジオ局のスタジオ内にも採用実績があるとのこと。

  • サンスター、除菌脱臭機、QAIS-air-03

    現行モデル「QAIS-air-03」はカラバリも派手、デザインもユニーク

QAIS-air-03を購入したペットオーナーから「猫が排泄した後の臭いが気にならなくなった」といった評判が多く寄せられたため、今回、トイレ臭(アンモニア臭)の効率的な捕集にフォーカスした新モデルとしてQAIS-air-が生まれました。

  • サンスター、除菌脱臭機、QAIS-air-

    洗練されたフォルムになったQAIS-airは、トイレの上(60cmくらい)の設置を推奨しています

現行モデルと比較すると、デザインがオシャレになりました。部屋のインテリアをジャマしません。厚みも薄くなったので、猫が上に飛び乗りにくくなったかもしれません(こんなとこに!? と思う場所に乗ってしまうのも猫ですが……)。QAIS-airは、フックのようなもので壁に固定する仕様。利用時は電源と電源コードが必要です。

  • サンスター、除菌脱臭機、QAIS-air-

    臭気を下から吸い、清浄化した空気を上から吐く構造

  • サンスター、除菌脱臭機、QAIS-air-

    電源コードには保護カバーがつきます。ペットが誤って押さないよう、フラットなボタン設計になりました

既存のQAIS-air-03では、金属メッシュの表面に光触媒が存在する設計でした。新型のQAIS-air-では、これを改良した新光触媒の技術を採用。セラミック(多孔質)を使い、光触媒が立体的に存在する設計となっています。

  • サンスター、除菌脱臭機、QAIS-air-

    セラミック(多孔質)内部の光触媒が仕事をします

新光触媒の良いところは(フィルターによる物理吸着ではないため)お手入れが簡単なところ。では、フィルター式の空気清浄機と比較すると、どの程度の脱臭効果が期待できるのでしょう。

製品発表会では、別の製品との比較結果が紹介されました。比較対象は、集塵フィルター+触媒フィルター+オゾンを使ったA製品と、HEPAフィルター+活性炭脱臭フィルター+イオンを使ったB製品です。

ケージの中にアンモニア臭を発生させ、その周囲で製品を起動させて臭いを測定します。その結果、何も対策していないと臭いの数値は「5」、A製品を稼働させると「3.2」近辺に下がり、B製品を稼働させると「3」近辺、QAIS-air-を稼働させると「2弱」、といった結果が得られました。三善氏は「体感ではものすごい差に感じる」と話します。

ではQAIS-air-は、どのくらい効果が持続する? 定期的なメンテナンスは本当に必要ない? こうした質問に、三善氏は「基本的には、ご家庭でずっと使っていただけます。ものすごく過酷な臭いの環境、たとえばブリーダーさんが使うときや、あるいはご家庭で(何カ月に1回という決まりもないんですが)脱臭機能が落ちてきたかな――と感じたときは、中のユニットを取り外して80度のお湯に20分ほど浸けてもらえたら、ほぼ新品のように再生できます」と説明しました。

  • サンスター、除菌脱臭機、QAIS-air-

    中のユニットは簡単に取り外せる仕組み

ペットの排泄の臭い、とくに猫は犬にくらべておしっこが臭うとのこと。用途に特化したQAIS-air-を導入すると、オーナーの生活環境の改善が期待できそうです。

少し気になったのは、QAIS-air-は壁かけタイプでコンセントからの電源が必要なこと。これをクリアできる設置場所であることが求められます。筆者も昔、ペットを飼っており、トイレの場所に悩んだ経験がありました。現在は飼っていませんが(飼いたい!)、「自分の部屋だったら、どこに置くかなぁ」と考えています。

  • サンスター、除菌脱臭機、QAIS-air-
  • サンスター、除菌脱臭機、QAIS-air-

    保護カバーを使って、電源コードが目立たないように配線したいところ