7月2日未明から継続していたKDDIの大規通信模障害。その逆風の最中、現状を伝えるために障害発生の翌日に開かれた社長自らの記者会見が、ネットの一部で「信頼できる」と話題となっている。デジタル関連の企業不祥事での会見は「炎上」しがちなものだが、なぜ逆に好印象につながったのだろう。
KDDIの通信障害は7月2日未明に発生し、auやUQ mobile、povoを使用するユーザーなど全国で最大3,915万回線に影響が出るという未曾有のものとなった。通信障害は「設備障害によりVoLTE交換機でトラフィックの輻輳が生じたため」起こったとしている。翌3日には復旧に向けた作業が終わったというものの、以降も再開試験や検証のために完全復旧が遅れたことで、Twitterでは「#au復旧してない」がトレンド入り。そんな中で、KDDIの高橋誠社長が記者会見に挑んだ。
この記者会見では、高橋社長自らが今回の通信障害の状況について細かく説明を行い、記者からの質疑応答もこなした。その内容が、通信障害の内容や発生してからの流れをしっかりと把握したものになっており、技術的な質問にも自らの口でよどみなく応答するというものだった。
障害発生と、その復旧に手間取ったことへの批判はまぬがれないが、一方で、自社の商品・サービスにもかかわらず門外漢のようにふるまう企業トップに見慣れた人々にとって、今回の高橋社長の解像度の高い会見内容は、かなり響いたようだ。
ネット上では批判の声も集まるなか、「KDDIの会見見た。これ凄いわ。社長が端的に説明。技術畑出身かな。信頼度爆上がりした」「どの質問にも的確に返されていて良い社長会見でした」「ここ最近のトラブルに関する会見で最高のものではないだろうか」「記者会見といえば、弁護士、側近に聞きながら代表が話す。というイメージ。この社長すごい」「KDDI高橋社長と吉村取締役の会見がとても素晴らしかった。技術畑の生え抜きなんかなあ…」と評価する声が目立った。
ただ、社会的にも大きな影響となったことから、責任問題は避けて通れないとの見方がある。そのため、「最も残念なのは、おそらくこのとんでもなく優秀な高橋社長が引責辞任するであろうということだ」「上司が業務に関わる技術を理解していると、信頼関係が構築しやすい だからこそ”引責辞任させないで”と言う言葉も出てくる」「今後またこういった障害引き起こされたとき、この社長以上に対応できる人材がいるのかね?」と心配する声もあがっている。