セイコーウオッチの「キングセイコー」は、1961年に登場した国産の高級機械式時計。2022年2月には、そのデザインを受け継いだ限定復刻モデルがリリースされた。今回、キングセイコーの「The Newest Classic」を体現したとする新作(2機種)が発売となる。
<キングセイコー> “KSK”復刻デザイン 限定モデル
「KSK」は、1965年発売の2代目キングセイコー。初代にはなかった防水性能や、秒針を止めて時刻合わせできる機能を備えていた。ダイヤルやケース、ボックス型の風防など、キングセイコーのデザインを確立したモデルでもある。
今回の新作では、このKSKのデザインを細部のディティールも含めて再現しつつ、エレガントな要素を加えた。多面カットのインデックスとシャープな針にイエローゴールドを採用し、華やかな印象に。滑らかな鏡面仕上げのケースは、オリジナルのKSKと同じくシャープな形状。オリジナルではアクリルガラスだった風防は、より広い見切りで再現したボックス型サファイアガラスとなっている。
りゅうずのセイコーロゴや防水仕様の「W」マーク、美錠のセイコーロゴも、KSKの意匠を再現。裏ぶたには、「盾」をモチーフにしたキングセイコーのブランドマークをあしらった、ゴールドのメダリオンを配置している。また、KSKは手巻きの機械式ムーブメントだったが、新作では現行でもっとも薄いという手巻き付き自動巻き機械式ムーブメント「キャリバー 6L35」を採用することで、厚さ11.4mmのスリムなケースサイズを実現した。
ケース素材は、独自の表面加工技術「ダイヤシールド」を施したステンレススチール、ケース外径は38.1mm、風防は内面無反射コーティングのボックス型サファイアガラス、ストラップの素材はクロコダイル、防水性能は5気圧。キャリバー 6L35のパワーリザーブは約45時間。発売は7月8日、世界限定1,700本、うち日本国内は700本、価格は385,000円。
<キングセイコー> セイコーブティック スペシャルエディション
かつてのキングセイコーは、東京・亀戸にあったセイコーの機械式時計工房で生まれた。亀戸には、菅原道真を祀った学問の神として親しまれている亀戸天神社があり、見事な藤棚でも知られる。
もう1本の新作は、藤の美しさをダイヤルで表現したモデル。柔らかな紫色のダイヤルには、放射状の仕上げと繊細なグラデーションによって、亀戸天神の「藤波」(風で波のように揺れ動く藤の花)を描いた。
こちらもKSKのデザインを受け継ぎ、多面カットの立体的なインデックスと太めの針によって視認性を高めている。また、ダイヤルのカレンダー機能を省くことで、オリジナルのKSKと同様にダイヤルの美しさを引き立てる。
ケースとブレスレットの素材はステンレススチール、ケースサイズは外径37×厚さ12.1mm、風防は内面無反射コーティングのボックス型サファイアガラス、防水性能は10気圧。ブレスレットは1960年代のキングセイコーをオマージュしたというフラットな多列タイプとなり、交換用としてパープルのステッチを施したライトグレーのカーフストラップが付属する。手巻き付き自動巻き機械式ムーブメント「キャリバー 6R31」のパワーリザーブは約70時間と長い。発売は7月8日、価格は214,500円。