早くも半分以上を終えた2022年、あと半年もすればWindows 8.1がEoSを迎える。Windows 8.1のサポート終了日は2023年1月10日に設定されているものの、Windows 8.1のままでPCを継続して利用するのは難しい。品質更新プログラムやセキュリティ更新プログラムの提供が止まるのはいわずもがな、ESU(Extended Security Update)も提供されず、Windows 10、Windows 11への無償アップグレードパスもない。もちろんPC自体を使い続けることは可能だが、セキュリティリスクを考えると、Windows 11搭載PCを新たに購入するのが無難だ。
以前の記憶が確かなら、Windows 7とWindows 8.1は、Windows 10(ひいてはWindows 11への無償アップグレードが可能だったはずである。だが、Windows 8.1 EoSのサポートページでは、「現在、Windows 8.1からWindows 10/11への無償アップグレードパスは提供していない。Windows 10またはWindows 11のコピーを購入したい場合は、上記のリンク(筆者注:Microsoft Storeの購入リンク)を参照するか、販売店に連絡してオプションについて確認してほしい」との記載を確認できる。
もっとも、2012年(Windows 8.1は2013年)当時のPCはWindows 11のシステム要件を満たしていない可能性が高く、無理にインストールしてもストレスがたまるばかりだろう。そのため現Windows 8.1ユーザーにとって唯一の選択肢は、Windows 11搭載PCの新規購入となる。
ここで少し当時を思い返してみたい。モダンUIの象徴となったスタートメニューを除けば、Windows 8とWindows 8.1はさほど悪いOSではなかった。Windows 7以前と同じくデスクトップを中心に利用し、モダンアプリも避けいれば、使い勝手はWindows 7とさほど変わらない。
ただ、そのころの筆者はコマンドラインランチャーに傾倒していたので、マウスでタイルをクリックする場面が少なかったも大きい。筆者は利用しなかったが、Windows 7以前の階層型プログラムメニューを欲するユーザー向けに、「スタートメニュー風」のUIを再現するツールも登場した。
Windows 7と比較してWindows 8とWindows 8.1はOS性能も向上し、十分なハードウェアリソースを用意すれば、それまでのアプリは快適に動作する。これは当時も多く語られたことだが、モダンUIの導入が早急すぎた。過去のWindows VistaやWindows XPの操作に慣れたユーザーには斬新すぎたのである。モバイル向けOSだったWindows Phoneとの連携を図るMicrosoftの戦略は理解できるが、二兎追うもの一頭も得ずのことわざ通り、Windows 8・Windows 8.1やWindows Phone 8(および8.1)は普及に至らなかった。その後のPC用OSはWindows 10、モバイル向けはWindows 10 Mobileが登場するものの、後者はサポートも終了済み。後継OSは存在しない。
この記事をお読みいただいている多くの方々は、Windows 10ないしWindows 11に移行済みだと思う。だが、Steam利用者群のPC構成情報から「OS Version」を確認すると、わずかにWindows 8.1ユーザーを確認できる。個人的な意見だが、安定性や保守性を優先する場面でなければOSは常に新しいほうがよい(Windows 11に関しては悲喜こもごもと使用しているのも事実ではある)。Windows 8.1ユーザーは、残すところ約半年の間に何らかの対応を講じていただきたい。