東芝インフラシステムズと東芝は、AIを活用した列車ダイヤ・車両運用の最適化を行い、多摩都市モノレールが3月12日に実施したダイヤ改正でその成果を適用したと発表した。これにより、年間5%程度の運用コスト削減が見込まれるという。
東芝インフラシステムズは、多摩都市モノレールに導入している東芝グループの輸送計画ICTソリューション「TrueLine」のダイヤデータ資産をもとに、東芝研究開発センターが開発した現場のノウハウや、制約条件を数理モデル化した輸送計画最適化AIを活用し、最適化を行ったという。
鉄道会社の車両運用は、限られた車両を効率よく運用することを目的に、各種検査や清掃のスケジュールを決める検査・清掃計画と、各列車ダイヤをどの車両で運行するかを決める配車計画を組み合わせて行う。この2つの計画を踏まえつつ、その他さまざまな条件を組み合せて運用計画を立てることは非常に難しく、従来は専門の知識と経験を持つ従事者が時間をかけて作成していた。一部に変更が生じた場合、計画の再作成に多大な労力を要するなど、解決すべき課題もあったという。
こうした課題に対し、東芝インフラシステムズは多摩都市モノレールとともに「TrueLine」に実装された「検査・清掃計画AI」「配車AI」「運用循環AI」を活用・調整しながら検証を行ったという。
その結果、AIを信頼して活用することにより、日々の各種作業計画が容易になり、計画に乱れが発生した場合にも迅速に再計画できることを確認。運用コストの削減効果もあることが認められたため、ダイヤ改正でその成果を適用したとしている。