東京商工リサーチは6月30日、全国「宿泊業」業績調査の結果を発表した。それによると、国内の宿泊業4,983社の2021年決算(1月~12月期)の売上高合計は2兆1,813億8,600万円となり、2020年(3兆3,509億6,100万円)から34.9%(1兆1,695億7,500万円)減少した。
売上高、コロナ前から半減
売上高はコロナ前の2019年(4兆27億7,600万円)と比べ、約半分(45.5%)に減少した。
2021年決算で最終損益が判明した1,568社の損益合計は、4,808億5,500万円の大幅赤字となった。赤字企業率の推移をみると、コロナ前の2019年は23.7%だったが、2020年は倍増の51.5%、2021年はさらに増加し6割弱の58.0%が最終赤字となり、最新期は売上高上位10社のうち8社が赤字だった。
また、売上高1億円未満の小・零細事業者は全体の59.5%を占めた一方、売上高10億円以上は6.5%にとどまることがわかった。
同調査は「本格的な観光再開に伴い、人手不足の再燃が懸念される。経営体力の乏しい事業者を中心に、改めて人手不足や設備投資を含めた資金繰りの問題が顕在化する可能性が出てきた」と分析している。
調査対象は国内の宿泊業者。単体決算で最新期を2021年1月期~2021年12月期として、売上高が3期連続で比較可能な4,983社(最終損益は最新期1,568社)を対象に抽出、分析している。