香港のヘッドマウンドディスプレイメーカー、ARPARA GLOBAL TECHNOLOGYが、VRヘッドセット「arpara AIO 5K(arpara VR オールインワン)」を国内投入します。国内クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて6月21日からプロジェクトがスタートしており、6月29日の時点で約1,000万円の支援を集めてプロジェクトは成功。今回、メディア向けの体験会でarpara AIO 5Kに触れてきました。
同社はすでにパソコン接続型の「arpara 5K VRヘッドセット」をCAMPFIRE経由で販売。今回の新型はヘッドセット単体で動作するオールインワンモデルという点が違います。CAMPFIREでの価格は89,880円から。
arpara AIO 5Kは、世界初(同社調べ)というマイクロOLEDを両目に搭載したVRヘッドセット。LCDに比べて応答スピードが速く、高コントラスト、広色域、低消費電力など、特に画質面で有利なことが特徴です。加えて省スペースでもあります。
レンズにはパンケーキレンズを採用。「一般的に使われるフレネルレンズに比べて大幅に体積と重量を減らせる」(同社)とのことで、マイクロOLEDと合わせて本体の小型軽量化に貢献しているそうです。パンケーキレンズでは画像周辺の歪みも抑えられますが、視野角は95度とそれほど広くはありません。同社は「小型軽量ボディなので視野角も合格点ではないか」と話します。
重さは380gで、本体には6,500mAhのバッテリーも内蔵。バッテリーは、装着時に後頭部で本体を支えるバンド部に内蔵しており、重量と熱源を分散しています。連続稼働時間は動画視聴で3時間、ゲームで2.5時間です。
OLEDのため、100万:1という高コントラストも特徴です。色表現の差が鮮明に出るとアピールしています。色域はDCI-P3で90%、sRGBで127%をカバー。解像度は5,120×2,560(片目2,560×2,560)で3,514ppiとなります。通常のVRヘッドセットが700~1,000ppiということで、「マイクロOLEDによって飛躍的に向上した」とします。角画素密度は32ppdで、こちらも他社に比べて優れていると強調します。
リフレッシュレートは90Hzで、ヘッドセットと付属コントローラーの両方で6DoF(※)をサポート。より高精度な位置追跡ができます。
※:DoF(Degree of Freedom)
XYZ軸によって3つの動き(回転)に対応し、頭の向きや傾きを検知するのが「3DoF」。この3DoFに対して、XYZ軸に横の動き(移動)を加えて計6つの動作を検知できるのが「6DoF」です。
また、ゲームプレイ中などで、動く範囲を定めて周囲の障害物にぶつからないようにする「Guardian Boundary」を搭載。前方には4つのカメラを備えていて、動作範囲を超えると周囲の映像(モノクロ)をカメラ経由で表示してくれます。このとき、視界はゲーム映像から自分の周囲映像へと切り替わるので、範囲内へとすばやく戻るか、ゲームを一時停止すると安心。
Guardian Boundaryでは、指定範囲を超えると自動的に周囲映像が表示されるため、ヘッドセットを装着したまま移動して飲み物を取りに行く、トイレに行くといったことも可能と、ARPARA GLOBAL TECHNOLOGYは話しています。
SoCにはQualcomm Snapdragon XR2を採用しており、メモリは8GB、ストレージは128GB、Bluetooth 5.1とWi-Fi 6をサポートします。インタフェースとしては、USB Type-C、3.5mmオーディオ端子、デュアルスピーカーなどを備えます。
Wi-Fiを使ってarpara AIO 5K単体でもインターネット接続やアプリを利用できますが、有線または無線でパソコンと接続することも可能。有線の場合はUSB 3.2に対応したType-Cケーブルを使用します。
パソコン経由の場合、SteamVRとの連携に対応するため、ゲームをはじめとした多彩なコンテンツを楽しめます。arpara AIO 5K単体でも、arparaのアプリストアからゲームなどをダウンロードでき、このストアで提供するコンテンツは「基本的に無料での提供を考えている」(同社)とのことです。
アプリに関しては、日本でVRコンテンツを提供する360Channelなどとはすでに話をしているそうで、日本向けのコンテンツプロバイダーとも協力して、順次提供していきたい考えです。