女優の松本まりかが、嵐・松本潤が主演を務める2023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演することが30日、発表された。千姫の少女時代を演じた『葵 徳川三代』(2000年)以来、23年ぶり2度目の大河ドラマ出演で、くのいちの女大鼠(おんなおおねずみ)を演じる。

松本まりか

第62作大河ドラマとなる本作は、脚本家・古沢良太氏が、新たな視点で、誰もが知る歴史上の有名人・徳川家康の生涯を描く物語。松本が徳川家康を演じる。

松本が演じる女大鼠は、大鼠(千葉哲也)の娘で、父を継いで忍者集団を束ねる。体が柔らかいことを生かし、どんな場所にも忍び込み、町娘から遊女、武士までどんな人物も演じきる変装の達人。服部半蔵(山田孝之)とタッグを組み、たびたびドジを踏む彼を細やかにフォローする良きパートナーでもある。

松本まりかのコメントは以下の通り。

――演じる人物の印象と意気込み

なんて面白い役をいただけたのでしょう! くのいち七変化のみならず、忍者界のサラブレッドとして生まれ、たいそうエリートだとも伺いました。しかしそんな女大鼠、今のところいっこうに喋(しゃべ)らないのです。台本に台詞がほとんどないため彼女の全貌は謎めいていて…。未知数です…。今はとにかくこんなユニークな役が出来る幸運にただただ感謝です。大河の世界にスパイスになるような忍者パートをスタッフキャストの皆さんと作って行けたらと思います。あっ、身体が柔らかいのが初めて生かせるかもしれません!

――大河ドラマの思い出

何よりご一緒した先輩方の豪華さでしょうか。当時右も左も分からないデビュー前の中学生ながら、その凄まじさは肌で感じていました。私は徳川家康の孫娘である千姫を演じたのですが、祖父の家康役には津川雅彦さん、父、徳川秀忠には西田敏行さん、母、お江に岩下志麻さん。義母には淀殿の小川真由美さん……そんな錚々たる大先輩から、厳しくも温かくご指導頂いたのを覚えています。時代を築かれた方々の空気を体感できたことは、大きな財産です。

――古沢作品について(初出演)

初めてです。密かに憧れてきた古沢さんの作品に参加できてとてもうれしいです。きっと古沢さんが生み出す家康は、ちっとも普通じゃないと思います。敵や家臣だけでなく、民衆にまで振り回され悩む。家康のカッコ悪いところもとことん見せた上で、はちゃめちゃにカッコイイ家康を作られるんじゃないかなと。松本さんがあらゆる方面からどうする? を突き付けられ、右往左往している姿を見られるのはとても新鮮ですし、そこからどう天下を治めていくのか興味が尽きません!

そのどうする? を突きつける民衆側を演じる立場から申し上げますと、当時、実は社会的弱者であった忍者は、今、社会の仕組みの中で生きづらさを感じている多くの現代人と重なる気がするのです。命をも軽く扱われてきた彼らがしたたかに生きる巧みさを身につけ、なんなら小遣い稼ぎやサイドビジネス感覚で忍者として暗躍し、その社会の頂点にいる家康にどうする? を突きつける。国のトップをも動かしていくその姿は、今を生きる私たちへの大きなエールになるのではないでしょうか。その一端を担える役どころ、責任を持って演じたいと思っています。

――共演者とのエピソード

まず、忍者バディとなる山田孝之さんとはこの大河までの軌跡がいくつも重なりました。2000年に「六番目の小夜子」で共演し、同時期に撮影していたのが「葵 徳川三代」。互いに初大河でした。今回もまた家康が主人公の大河ドラマで、同じく23年ぶり二度目の大河ドラマでバディを組む…奇縁を感じます。

そして松本潤さんとは初共演ですが、ちょうど当時の大河や六番目の小夜子の撮影中に流行っていたのが「A・RA・SHI」で、山田孝之さんとも撮影中よく口ずさんでいた同世代のスターです。そんな松本さんが殿になる。私も殿を助ける事のできる立派なくのいちに現場でもなれたらなと思っています。現場での立派なくのいちとはなんなのかは….これから考えます。チーム松本の良き一員になり皆さんに楽しんで貰えますよう、精一杯努めます!