ヤマハ発動機は6月28日、2050年のカーボンニュートラルを目標とした「ヤマハ発動機グループ環境計画2050」(2021年7月発表)のうち、海外を含む自社工場における目標達成時期を2035年へと前倒しすることを発表した。

  • CO2排出原単位

同社はこの目標達成に向けて、エネルギーの"最少化"と"クリーン化"を軸とした活動を推進する。

最少化の主な取り組みは、「理論値エナジー」と「工程革新」。理論値エナジーは、本当に必要なエネルギーのみを「価値」と定義し、それ以外はすべて「改善代(しろ)」としてエネルギーの最少化をめざすこと。さらに設備を徹底して自動停止させ、待機エネルギーと固定エネルギーのゼロもめざしていく。

また、設備導入において、最少設備、最少エネルギーで高い生産性を実現し、大幅な省エネを実現する「工程革新」も進めていく。

  • 最少化の主な取り組み

クリーン化の主な取り組みは、「再エネ導入」と「化石フリー」の推進。本社管轄の全事業所に対し、2022年7月より水力由来でCO2排出ゼロの「静岡 Grean でんき」を導入。国内外のグループ会社も順次導入を進め、2030年にすべての電気をCO2フリーに切り替えることを目標とする。さらに太陽光発電についても導入を進め、自社由来の再エネ比率を高める。

化石フリーについては、工場炉をはじめとする熱設備の電化や蒸気レス空調の導入などにより、化石燃料から再エネ電気へのエネルギー転換を進めていく。

  • クリーン化の主な取り組み

こうした取り組みにより、海外を含む自社工場の生産活動におけるCO2排出量は、2035年に92%削減(2010年比)となる見込み。また、残るCO2排出量は、国際的に認められた手法でオフセットを行い、最終的に工場のカーボンニュートラルを達成する計画となる。