6月25日に「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2022(SFL2022)」のドラフト会議が開催されました。同時にまだ発表されていなかったチームロースターも発表され、全チームの出場メンバーが確定しました。

5月26日公開の筆者の記事で、SFL2022のチームの動向について、懸念と予測をしていたので、そちらと比較しながら、結果を確かめていきたいと思います。

今回、争点となったのは、昨年3位となったチーム「Mildom Beast」の不参加です。「Mildom Beast」は、ウメハラ選手とふ~ど選手、YHC-餅選手、もると選手の構成でした。いわゆる外部からの助っ人選手だったYHC-餅選手ともると選手以外の、ウメハラ選手とふ~ど選手がどのチームで参加するのかが気になるところです。

まず、発表されたのはドラフト枠以外のロースターです。筆者の予想としては、チームの所属選手が4人以上いるチームは、ドラフト枠を使わず、自前の選手で構成されるのではないかと思っていました。その予想は的中し、「忍ism Gaming」と「魚群」は、チームメンバーのみで構成。「忍ism Gaming」はメンバーが4人以上いるので、誰がロースターに入るかも気になりましたが、最終的には、ももち選手、藤村選手、ヤマグチ選手、ジョニィ選手の布陣になりました。「忍ism Gaming」の大谷選手とえいた選手はドラフト枠でほかのチームからの指名を待ちます。同じく「忍ism Gaming」のハイタニ選手は競技シーンから遠ざかっているので、予想メンバーから外していましたが、メンバーとしてもドラフト枠としても名前が入っていませんでした。「魚群」は、マゴ選手、まちゃぼー選手、水派選手、もけ選手のフルメンバーとなりました。

  • 「忍ism Gaming」はやはり自前のメンバーで構成。ベテラン2人と若手2人の好バランスチーム

  • 魚群は4人ぴったりのフルメンバーで参戦。同一チームの参戦はチームワークとしては他の追随を許さないのではないでしょうか

次に発表されたのは、昨年の優勝チーム「v6プラス FAV gaming」です。こちらも予想通り、りゅうせい選手が体調不良による不参加となり、プロパーの選手はsako選手のみ。そこに昨年チームメンバーだったときど選手とぼんちゃん選手が合流し、残りはドラフト枠になりました。前回はときど選手が入ることで、チーム名にロートZ!の名が入っていましたが、今回は入っていません。今後、変わる可能性がありますが、不確定なところです。

  • 参加チーム発表時にロートZ!の名前がないところで、ときど選手の離脱を予想していましたが、今回もv6プラス FAV gamingに参戦

次は昨年準優勝だった「Good 8 Squad」です。主要メンバーの入れ替えはなく、ガチくん選手、カワノ選手、ぷげら選手に、ドラフト枠となりました。

「Saishunkan Sol 熊本」は、「忍ism Gaming」からひぐち選手が移籍し、ネモ選手と2人体制に。昨年もチームに参加していた「AXIZ」のShuto選手がレンタル移籍の状態で参加しています。残り1枠はドラフト枠になりました。

  • 「Good 8 Squad」は別チーム所属だったキチパ選手が入っておらず、ドラフト枠に

  • ひぐち選手を迎えた「Saishunkan Sol 熊本」。昨年に引き続きShuto選手が参戦

次は「コミュファDatonatioN」です。板橋ザンギエフ選手、ナウマン選手、竹内ジョン選手のプロパーの3選手にドラフト枠の構成になりました。

「名古屋OJA BODY STAR」は、あきら選手とオニキ選手+2枠と考えていたのですが、蓋を開けてみれば、オニキ選手が出場辞退。そして「Mildom Beast」の2人が参入するというサプライズが起こりました。残り1枠はドラフト枠です。オニキ選手の事情が分かっていないので、なんとも言えないですが、「Mildom Beast」の2人を同時加入させる手段としての結果だとしたら少し引っかかるものがあります。

一応、ウメハラ選手とふ~ど選手が参加する可能性として、「名古屋OJA BODY STAR」と「v6プラス FAV gaming」、「Saishunkan Sol 熊本」を予想していたので、的中と言えなくともない結果です。

  • CPTでもTOPANGAでも大活躍した竹内ジョン選手に注目が集まる「コミュファDatonatioN」

  • 「Mildom Beast」の2人が参加し、チームカラーが一変した「名古屋OJA BODY STAR」

最後に新加入となった「広島TEAM iXA」です。こちらもストーム久保選手、ガンファイト選手、稲葉選手の所属メンバーが主要メンバーとして参加。残り1枠はドラフトです。

  • 唯一の新規参加チーム。台風の目として大会を荒らしてくれそうな期待感があります

結果としては、4人のフルメンバーをチーム内で集めたチームが2つあり、残りの6チームがドラフト枠で、選手の補強をすることになりました。

ドラフト候補は、今回のドラフト会議に向けたトライアウトにてプロライセンスを取得した選手と、それ以前からプロライセンスの取得している選手の中から選出。プロライセンス保持者の中には昨年のSFLに参加した選手もおり、復帰できるかが注目されます。

ちなみに昨年参加した選手は、MOV選手、キチパ選手、立川選手、どぐら選手、NISHIKIN選手、もると選手、ヤナイ選手、YHC-餅選手の8選手。ドラフト枠が6枠しかないので、全員昨年参加した選手から選ばれたとしても、確実に2人の選手が参加できなくなります。

また、トライアウトにてプロライセンスの取得した選手は10名。ある意味、波に乗った上り調子の選手と言えます。既存のプロを押し退けて、選ばれるのかに注目です。

  • ドラフト候補選手一覧。もはやこの中から新たに3チームくらい作れそうな実力者ぞろいです

ドラフトでは、枠のある6チームが希望選択選手を提出。選択選手がほかのチームと重複しなかった場合は、その時点で選手の獲得が確定します。重複した場合は、ハメコ。氏による抽選を実施。抽選に外れたチームは2巡目に移行し、1巡目と同様に希望選択選手と提出します。あとは同様の流れで、全6チームに所属選手が確定するまで続けられます。

1巡目のドラフトでは、どぐら選手と鶏めし選手に人気が集中。唯一、クラッシャー選手を選択した「広島TEAM iXA」のみが確定しました。どぐら選手のベガは、SFLで活躍するであろう強キャラのカウンターとして活躍が見込めるうえ、どぐら選手自体が昨年トップクラスのポイント数を稼いだ実力者。この結果は当然と言えます。

現在の『SFV』のキャラクターの強さや強キャラとの相性の良いと言われるダルシムも注目の的。“日本3大ダルシム”と呼ばれる鶏めし選手が選ばれるのも必然です。

どぐら選手を選んだのは、「Good 8 Squad」「Saishunkan Sol 熊本」「名古屋OJA BODY STAR」の3チーム。抽選の結果、「Good 8 Squad」が獲得権を得ました。

鶏めし選手を選んだのは「v6プラスFAV gaming」と「コミュファDatonatioN」の2チーム。抽選の結果、「v6プラスFAV gaming」が獲得権を得ました。

  • 「広島TEAM iXA」が獲得したクラッシャー選手。バーディー使いで大型キャラが多い「広島TEAM iXA」のチームカラーに合っている選手です

  • 「Good 8 Squad」が獲得したベガ使いのどぐら選手。本来であればドラフトにかかるような選手ではありません

  • 「v6プラスFAV gaming」が獲得した鶏めし選手。3大ダルシムの中でも特異な攻撃手段で相手を翻弄します

2巡目の選択は、「名古屋OJA BODY STAR」がナリ君を指名。重複がなく、確定しました。ナリ君選手は名古屋を拠点としてコミュニティの発展に寄与しており、名古屋を本拠地とする「名古屋OJA BODY STAR」としては、順当な指名とも言えます。

「Saishunkan Sol 熊本」と「コミュファDatonatioN」は、3大ダルシムの1人であり、昨年もリーグに参加し活躍した島根の仙人ことYHC-餅選手を指名。抽選の結果、「Saishunkan Sol 熊本」が獲得権を得ました。抽選に外れた「コミュファDatonatioN」は、3巡目でうりょ選手を指名。これで全チームの指名が終了となりました。

  • 「名古屋OJA BODY STAR」が指名したあきら使いのナリ君選手。名古屋在住でウメハラ選手のラウンジによく参加していた経緯もあり、チームとの相性は良さそう

  • 「Saishunkan Sol 熊本」が指名したYHC-餅選手。現在、ダルシムは活躍が見込めるキャラとして位置づけされており、順当な結果

  • 「コミュファDatonatioN」に指名されたローズ使いのうりょ選手。ベテラン選手なので、チームとしてはベテラン2人、若手2人のバランスの取れた構成になりました

結果としてドラフトでは、昨年の上位チームにいた選手を獲得する形になったため、強いチームがより補強された印象です。やはりドラフト枠はウェーバー制で、前年度の下位チームから指名できるようにしたほうが良かったのではないでしょうか。

今回指名されたのは、既存のプロ選手3名、トライアウトのプロ選手3名。思った以上にトライアウト勢が選ばれた印象です。トライアウトを行った意味や新戦力によるこれまでと違った風を吹かせられる期待感もあるでしょう。

SFL2022は、8月27日、28日の開幕戦1on1トーナメントを皮切りに、9月~12月の4カ月でリーグ本節を行います。昨年は本節がすべて無観客、グランドファイナルのみ有観客での開催でしたが、今年は叶うのであれば、本節も全試合有観客で開催してほしいところです。

  • 今後のSFL2022のスケジュール