電気興業は6月28日、天井埋め込み形エアコンに設置できる5Gアンテナ「空調機内蔵アンテナ」を発表した。大阪大学で実証実験を開始する。

空調機内蔵アンテナは、天井埋込カセット形室内機のコーナー部に内蔵するもの。コーナー部のスペースは、人感センサーなどのオプションを導入するための空間として用意されているが、そこを利用する形となる。開発はダイキン工業の協力を受けて行われ、国内5G用に割り当てられているSUB6帯(3.4GHz~4.9GHz)に対応する。

  • 天井埋め込み形エアコンのコーナー部に設置する5Gアンテナ「空調機内蔵アンテナ」

従来の携帯電話屋内エリア用のアンテナは天井面などへの個別設置が必要だったが、室内美観への影響や、個別に工事が発生するため費用がかさむという課題があった。今回開発した空調機内蔵アンテナを導入することで、室内の美観を維持したまま接地が可能になるうえ、通信アンテナを各所に個別設置するよりも費用を抑えられる。空調が配置されるロケーションは人の生活空間であるため、不必要な場所へのアンテナ配置もなくなる。

空調機内蔵アンテナの実証実験は、大阪大学とダイキン工業との包括連携が進める、大阪大学箕面キャンパスにおけるスマートキャンパス化の実証実験の一部として行われる。併せて、大阪大学ではNTTドコモが提供する各種5Gソリューションを活用し、屋内の5G環境がもたらす新しいサービスや、空調機内蔵アンテナの可能性検証も行っていく。