Appleが米国などで「Apple TV+」を通じて配信を行なっている本年度アカデミー賞作品賞受賞作『コーダ あいのうた』だが、日本では2022年7月21日より「Amazon Prime Video」で独占配信が始まる。
『コーダ あいのうた』は2014年にフランス/ベルギーで製作された『エール!』(日本の配給はクロックワークス、アルバトロス・フィルム)のリメイク作。本年度アカデミー賞において作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞を獲得した。
アカデミー賞ノミネート時、作品賞の本命はジェーン・カンピオンの監督作『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(日本での配給はNetflix)というのが大方の予想ではあったが、下馬評を覆す格好での受賞となった。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は、分かる人には分かるという作風からか、思ったより票が集まらず、対する『コーダ あいのうた』は、作品賞の投票に適用されている、候補作に順位をつける方式にも助けられ(万人ウケする作品が有利)、受賞への道筋がついたとも言われている。
日本では2022年1月21日、ギャガの配給により全国の劇場で公開。2022年9月2日にはBlu-ray&DVDでのリリースも決定しているが、今回、Amazon Prime Videoで先行配信される運びとなった。
米国などではAppleがApple TV+を通じて独占配信を行なっているが、日本においては、Apple TV+では見られない。なぜ、Amazon Prime Videoで独占配信されることになったのか? この件について、3社(Apple、Amazon.co.jp、ギャガ)に理由・経緯を訊ねてみたところ……。
- Apple:「Appleは『コーダ あいのうた』に対する日本の権利を所有しておりません。 そのため我々からご案内できる内容がございません。ご不明な点がございましたら、ギャガのチームにお問い合わせください」
- Amazon.co.jp:「『コーダ あいのうた』の配信についてですが、契約に関する内容は、一切回答ができません」
- ギャガ:「この度のAmazon Prime Videoへ見放題独占配信が決まった経緯につきましては、回答を控えさせていただきます」
という答えが返ってきた。
なお、どうしてもApple TV+で見たいのであれば、配信している地域のApple IDを取得し、その地域でのApple TV+の支払いが可能な要件を満たしていれば視聴は可能(U.S.のサービスを利用するなら、米国で発行されたクレジットカードを保有していれば登録が行える)。分かっている限りでは、米国のApple TV+ではバリアフリー日本語字幕を含む41言語と日本語吹き替えを含む10言語の音声が用意されているほか、日本語を含む10言語のバリアフリー音声ガイドが利用できる。
パッケージ版での音声および字幕は、DVDは、音声が英語(ドルビーデジタル 5.1ch サラウンド)/日本語吹替(ドルビーデジタル 5.1ch サラウンド)/バリアフリー日本語音声ガイド(ドルビーデジタル 2.0ch ステレオ)で、字幕は日本語字幕/日本語字幕(デカ字幕)/バリアフリー日本語字幕/吹替用字幕となっており、Blu-rayは、音声が英語(dts-HD Master Audio 5.1ch)/日本語吹替(dts-HD Master Audio 5.1ch)/バリアフリー日本語音声ガイド(dts-HD Master Audio 2.0ch)で、字幕は日本語字幕/日本語字幕(デカ字幕)/日本語字幕(手書き風フォント)/バリアフリー日本語字幕/吹替用字幕という仕様。
今回のAmazon Prime Videoでは、日本語字幕、日本語吹替版、バリアフリー日本語字幕での配信となる。
『コーダ あいのうた』は、4人家族でただ一人、健聴者の主人公が、歌の才能を見出され有名音楽大学への進学を目指すさまが描かれる。