職場など普段の会話でも「槍玉に挙げる」「槍玉に挙がった」といった言葉が使われることもあるでしょう。
しかし、「槍玉に挙げる」がどういう意味なのか、よくわからない人もいるはず。なんとなく意味は理解してるつもりでも、くわしい意味は説明できないという人もいるでしょう。
この記事では、「槍玉に挙げる」の意味や語源について、わかりやすくご紹介していきます。類語や英語表現、例文などもご紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
「槍玉に挙げる」の意味・読み方
「槍玉に挙げる」の読み方
「槍玉に挙げる」とは、攻撃や非難の対象にすることで、「やりだまにあげる」と読みます。
「槍玉に挙げる」の意味
「槍玉に挙げる」には大きく分けて2つの意味があります。1つは槍の先で突き刺すこと、突き上げることという意味です。2つ目の意味は、たくさんある中から選んで非難や攻撃の対象にすること、犠牲にするという意味です。
現代では、実際の槍を使う機会は日常的にほとんどないため、2つ目の非難や攻撃の対象にするという意味で使われることが多いでしょう。
「槍玉に挙げる」の語源・由来
なぜたくさんある中から選んで非難や攻撃することを「槍玉に挙げる」というのか、疑問に思った人も多いのではないのでしょうか。ここからは「槍玉に挙げる」の語源や由来についてご紹介していきます。
戦で槍を突き上げたのが由来
槍玉とは、扱いが難しい槍をお手玉のように軽々と扱うことがもともとの意味です。そこから転じて、合戦で敵の武将の身体を槍で突き刺し、お手玉のように扱い味方へ放り投げる様子を意味するようになりました。
こうした背景から、「攻撃や非難の対象として責められているさま」を指すようになったのです。
「槍玉に挙げる」の例文・使い方
「槍玉に挙げる」の使い方を例文とともにわかりやすくご紹介します。例文と一緒に覚えておけば、前後の文脈などを踏まえてよりその場に合った形で意味を理解できるようになるでしょう。
「槍玉に挙げる」の例文は以下のとおりです。
- 店長会議の中で、多くの店舗が目標達成している中、大幅に目標を下回っている店舗の店長は槍玉に挙げられていた
- 彼は現場の責任者であったため、今回の件について多くの人が彼を槍玉に挙げていた
「槍玉に挙げる」の類語・言い換え表現
「槍玉に挙げる」と同じく、非難や攻撃の対象にするといった意味を持つ、類語表現についてご紹介します。一つでも多くの類語表現を覚えておけば、状況や相手などに応じて最適な表現ができるようになります。
例文を交えながら使い方をご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
袋叩き
「袋叩き」とは、大勢で少数や一人を取り囲んで叩くことで、たくさんの人から集中的に非難されるという意味です。「槍玉に挙げる」と同じように、非難や攻撃の対象にされるという意味があります。
「袋叩き」という表現を使った例文は以下のとおりです。
- 彼は道を歩いていたら不良グループの中の一人と肩がぶつかって、殴る蹴るなどの袋叩きにあってしまった
- 彼女の失敗は仕方のないものだったが、上司や先輩たちはその失敗を責めてもはや袋叩き状態だった
吊るし上げる
「吊るし上げる」にも、大勢で一人もしくは少人数に対して厳しく問い詰めたり責め立てたりするという意味があります。
「吊るし上げる」という表現を使った例文は以下のとおりです。
- その支店だけ上半期の売り上げ目標を達成できておらず、会議の中で吊るし上げられて説明を求められていた
- 嘘をついたことで仲間に吊るし上げられた
「槍玉に挙げる」の英語表現
「槍玉に挙げる」のように、非難や攻撃の対象として責めるという意味を持つ英語表現をご紹介します。
意味: 非難の対象として選び出す
「single out」は、選び出す、選抜するという意味があり、「criticism」には批判や非難という意味があります。よって、「single out someone for criticism」は非難の対象として誰かを選び出すという意味になり、「槍玉に挙げる」と同じようなニュアンスになります。
「槍玉に挙げる」の意味や使い方を正しく理解しよう
「槍玉に挙げる」は、多くの中から選んで集中的に非難・攻撃することを意味する言葉です。言葉の意味を正しく理解しておけば、会話もスムーズに進みます。また、例文とあわせて使い方も覚えておけば、自分のボキャブラリーが増えて、幅広い表現ができるようになるかもしれません。
「槍玉に挙げる」も意味だけでなく、類語や例文とあわせて理解しておきましょう。