私たちは小さい頃、「お箸で遊んではいけません」というマナーを教えられて育ちました。お箸でお茶碗をドラム代わりに叩くなんてもってのほか。
では、ギターのピック代わりに使うなら……
うそ、全然アリじゃん!! いや、むしろ超スゲェェェェェエ!!!!
1年間割り箸でギターを弾き続けた成果がこれです pic.twitter.com/efvWJIDDdi
— Chee'z (@loveandcheese_) June 22, 2022
投稿主はミュージシャンの「Chee'z(@loveandcheese_)」さん。普段はインストゥルメンタル中心のライブ活動などを行っているというChee'zさんが手にしているのは、ギターピックではなく、なんと「箸」!
動画を再生してみると、そのコミカルな見た目とは裏腹に、とても美しい音色が鳴り響いていて、つい聴き惚れてしまいます。その箸さばきはまさに神業。この美しい音色がまさか箸で奏でられているとは、動画を見なければ想像もつかないはずです。
このツイートは1.2万件のリツイート、4.8万件のいいねを獲得(6月28日時点)し、さまざまなコメントも寄せられました。
「うま笑!! なんでか美しいのに笑ってしまう! 」
「めちゃくちゃ凄いです! なによりお箸の持ち方もとても綺麗! そして発想の素晴らしさにハシを投げますね。。」
「凄い。素敵な音色だ! でも何で割り箸なんだろう…?」
「食事中突然ギター弾きたくなった時に便利ですね」
「いやちょっとめっちゃ面白いネタっぽいの期待したらめっちゃカッコいい すごいです。感動しました! 」
「なんか。手と違ってどこか、優しい音に聞こえるのは僕だけであろうか」
「単なるアクロバット奏法ではなく割り箸を使う必然性がある音色・演奏になってるの凄いですね。綺麗な音♪」
「音楽って自由だなー、と再認識。素敵な発想です」
「割り箸をピックのようにして使うのかと思って見たら箸として使っていたでござる驚いたでござる」
ツイ主さんに聞いてみた
ものすごい技ではありますが、そもそもなぜ割り箸でギターを弾こうと思ったのか、という疑問が残ります。そこで、今回は投稿したChee'zさんご本人に詳しい話をうかがいました。
ーーなぜ割り箸でギターを弾こうと思ったのか、キッカケを教えていただけますか?
キッカケはライブを結構行うのでいつも極貧で……そんな中ピックの100円も払えなくなったときにひとつの光明……カップラーメンに付属していた割り箸があってもうギター弾けたらなんでもいいやと半分錯乱しながら割り箸ギターに手を出しました!
ーー割り箸でギターを弾くのは、指やピックで弾くのと比べてどのような難しさがありますか?
箸を使うこと自体は、みんなが普段の環境で鍛えられていると思うんですよ。なので、箸の文化圏であれば始めることに抵抗は少ないと思います。
この技を難しくさせている要因はむしろ、つまむギター弦の細さと、ギターの構造ゆえに弦が固定されているところにあると思います!
普段、私たちは麺類を一本一本箸で持ち上げて食事はしませんし、「割り箸ギター」において重要な、固いものを寄せたり弾くようなアクションは「寄せ箸」として日本の食卓ではマナー違反に当たります。
このようなイデオロギーが、今まで割り箸でギターを弾くというチャレンジを妨げていた要因であったと思います。
こうしたところから、「割り箸ギター」の上達のためには普段から美しい箸の持ち方(フォーム)を意識したり、細かいものを一つ一つ丁寧につまみ上げたりという、細分化した食事の所作が挙げられると思います。
ーー今回のツイートが大きな反響を生んでいますが、率直なご感想などはございますか?
自分の音楽で誰かがフフッとなってくれたらミュージシャンとして本望です! これからも天狗にならずストイックに努力していきた……すみません、率直な感想だったらこのままトントン拍子でプロのミュージシャンになって就職活動やめれられるんじゃね! っていうのが本音です。
とても素敵な音色を割り箸で披露してくれたChee'zさん。ツイッターアカウント〈@loveandcheese_〉では、普段の音楽活動のことも呟かれていますので、この動画が気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。