今回の調査は、鹿児島県垂水市在住の40歳以上の男女1498名を対象に、2018~2019年度にかけて実施。実際には、高血圧などと診断されていない746名を対象に、血圧に関係する因子についての横断的な解析が行われた。
具体的には、男女別にロジスティック回帰分析が実施されたところ、酢の物の摂取習慣がない(今回の調査では、酢の物を1か月に1度も摂取していない場合が習慣なしとされている)男性は、高血圧治療ガイドライン2019での血圧分類が有意に悪くなる関係が示されたという(年齢、BMI、喫煙歴、独居、飲酒過多、エネルギー摂取量、たんぱく質摂取量、ナトリウム摂取量、カリウム摂取量、海藻摂取量で調整)。また、男女ともに酢の物摂取習慣がない集団は、顕著に海藻類の摂取量が低くなっていることが判明したという。
ただし、酢の物の摂取頻度と血圧に関係性は認められておらず、酢の物と血圧の因果関係は、今回の調査では不明だったともしており、酢の物摂取が実際に血圧低下に貢献するかどうかの結論は、介入試験などを実施することが必要だとしている。
なお、血圧を下げるための減塩活動は日本だけでなく、世界的な課題にもなっており、酢の物摂取が血圧改善につながるというエビデンスが示されれば、新たな食生活改善の提案が可能になると考えられると研究チームでは説明している。