C2C12筋芽細胞を2日間分化させ、マカを添加したコントロール群と、0.1mg/ml濃度のマカ添加群(0.1maca群)、0.2mg/ml濃度のマカ添加群(0.2maca群)に分けて実験が行われた。そしてマカの添加から2日後、骨格筋の生育・成長の組織化学的な解析が実施された。また分子メカニズムとして、筋細胞のタンパク質発現を生化学的な解析も試みられることとなった。すると、いずれの濃度のマカにおいても、マカの添加によって骨格筋の生育・成長が促進し、筋肥大が誘発されることが示されたという。

この結果から、分子メカニズムに、筋合成に関連するタンパク質発現(AktやmTORのリン酸化)の増加が関与している可能性が示唆されたとする。ただし、組織化学的解析によって認められた顕著な筋肥大を説明するためには、さらなる分子メカニズムの解析が必要であることが考えられるとしている。

今回の成果によるマカの骨格筋生育・成長・肥大促進作用は、特に超高齢社会におけるアンチエイジングのための有効な機能性素材として期待できるという。今後は、生体におけるマカ摂取の有効性を検証し、現代社会における諸疾患の予防・改善に資する栄養処方を開発することが重要であると考えられるとしている。

  • マカエキス末を添加した群の筋径の太さならびに筋面積には有意な増加が認められた

    マカエキス末を添加した群の筋径の太さならびに筋面積には有意な増加が認められ、なおかつ筋分化に関しても有意な増加が見られたとする (出典:Yi et al., IJMS 2022」の図1より引用されたもの) (出所:立命館大プレスリリースPDF)