今回無料公開された海面水温、クロロフィルa濃度、懸濁物質濃度のデータを活用することで、海洋上の気候変動の影響を把握しやすくなり、漁業などへの利用が期待されるという。

  • 海面水温は、海上における水面の温度データ

    海面水温は、海上における水面の温度データ。海面の温度を観測することで、暖流や寒流などの境目(潮目)などの状況を把握が可能となる (c) OpenStreetMap contributors,(c) さくらインターネット,(c) JAXA (出所:さくらインターネットプレスリリースPDF)

ちなみに、海面水温とクロロフィルa濃度については、これまでもアーカイブデータがTellusで公開されていたが、今回からは撮像後最短約70分の準リアルタイムプロダクトが公開される。加えて、直近8日間の観測データから雲などを除去し、平均値を算出した時間統計量データも公開されることとなっており、リアルタイムに近い海水の状況把握ができるようになるとする。

  • クロロフィルa濃度は、海面に分布する植物性プランクトンなどに含まれる光合成色素であるクロロフィルaの濃度データ

    クロロフィルa濃度は、海面に分布する植物性プランクトンなどに含まれる光合成色素であるクロロフィルaの濃度データ。濃度が濃いほど、海面に植物性プランクトンが多く分布していることがわかる (c) OpenStreetMap contributors,(c) さくらインターネット,(c) JAXA (出所:さくらインターネットプレスリリースPDF)

この準リアルタイムプロダクトについては、これまでJAXAから一部研究者へ限定的に提供されてきたもので、個人を含めた一般が閲覧可能な環境で提供されるのはTellusでは初めてのこととなる。

  • 懸濁物質濃度

    懸濁物質濃度は、プランクトンなどの有機物と土壌などの無機物による微粒子の単位水あたりの濃度のデータ (c) OpenStreetMap contributors,(c) さくらインターネット,(c) JAXA (出所:さくらインターネットプレスリリースPDF)

さくらインターネットは今後も随時Tellusのアップデートを実施し、より魅力的なプラットフォームにすべく尽力していくという。そして「宇宙アセットを民主化する」というビジョンのもと、Tellusを通じて衛星データと地上データの産業利用を促進し、衛星データを利用して新たな価値を創造することにより、日本経済およびデジタルトランスフォーメーションの推進に貢献していくとしている。