吉本新喜劇の座長であり、個人でもさまざまな番組に出演、バンド・ジェニーハイのメンバーとしても活躍している小籔千豊。切れ味鋭いツッコミを武器にいつも冷静にトークを展開する小籔だが、落ち着いて舞台や収録に挑めるようになったのは、笑い飯・哲夫の仏教本の影響が大きいという。「哲夫と出会って落ち着きを取り戻しました」と感謝する小籔に、約30年という芸能生活での自身の変化や、現在の活動、そして今後について話を聞いた。
『人志松本のすべらない話』で全国区の知名度を獲得した小籔は、バラエティのみならず情報番組のコメンテーターも任される存在に。MCを務めたBSスカパー! の社会派ドキュメントバラエティ『BAZOOKA!!!』(2011~2019年)では、上祐史浩氏や村西とおる氏ら強烈なゲストともトークを繰り広げた。
「上祐(史浩)さんと生放送でお話したり、ロックンローラーの内田裕也さんに怒られたりしたこともあり、根性もついたのかなと。いろんなゲストの方に鍛えられたと思います」と小籔にとっても印象深く特別な番組である『BAZOOKA!!!』は、今月よりABEMAで約3年ぶりに復活し、引き続き小籔がMCとして出演している(毎週土曜23:00~)。
どんなゲスト相手でも物怖じせず対峙する小籔だが、トーク力や対応力は来年で30周年を迎える長い芸能生活の中で培われてきたものだ。
「最初の頃は今田(耕司)・東野(幸治)と絡むときは自分でも何を言っているのかわからない発言をしたり、ウケもせずスベリもせず、『は?』みたいな顔をされたことも全然ありました」と若手時代を振り返りつつ、「今田さんとはプライベートでも可愛がってもらえるようになってなんとか落ち着けるようになりましたが、いまだにふとした瞬間に緊張しますし、ダウンタウンさんも優しくしていただいていますが、ふとしたときに緊張はします」
以前は思い通りにいかないと落ち込み、うまくやろうと気負って緊張してしまうこともあったが、意識の変化によって落ち着いて本番に臨めるようになったという。
「仏教の本で、人生なんてうまいこといかないことがほとんどで、思い通りにいかないのが世の中だというのを読んだり、イチローが15打席連続ノーヒットしているのを見て、俺なんか50打席連続三振するやろうと。年間トータル2割7分ぐらいになっていたらいいなと思ってから落ち着けるようになりました」
特に影響を受けた本が、笑い飯・哲夫の『えてこでもわかる 笑い飯哲夫訳 般若心経』。「これを読んだときに開眼し、そこから一時期むちゃくちゃ読むようになって、哲夫にいろいろ聞くように。だから仏教の先生は笑い飯の哲夫です(笑)。哲夫と出会って落ち着きを取り戻しました」と明かす。
「人が幸せに生きるための知恵を仏さんが教えてくれていて、僕の中ではほぼ怒りが収まります。3日もずっと腹立つということがなくなりました」と心の安定を手に入れた小籔。「みんなメイクやファッションの方法は雑誌で読むのに、人生の本は読まない。生きることに悩んでいる人がいたら、ぜひ笑い飯・哲夫の本を読んでもらいたいです(笑)」とおすすめした。