マウスコンピューターの「G-Tune E7-WA」シリーズは、17.3型の大型液晶ディスプレイを採用するゲーミングノート。リフレッシュレートは144Hz、6コア12スレッドのCPUと高性能なGPUを組み合わせ、多くのゲームでなめらかな描画を楽しめる。eスポーツ系のFPSやTPSで勝ちにこだわったプレイも可能なスペックを持っているのが大きな特徴だ。

  • RTX 3060&144Hzで“勝ち”にこだわれる! マウスコンピューター「G-Tune E7-WA」レビュー

    マウスコンピューターの「G-Tune E7-WA」。直販価格は189,800円から

まずは、基本スペックをチェックしよう。CPUは、Intel第11世代Coreプロセッサ「Core i5-11400H」を搭載。6コア12スレッドで動作クロックは最大4.5GHz(TurboBoost時)とノート向けのCPUとして十分高性能。コア数が効く処理、動作クロックが効く処理のどちらにも強い。メモリはDDR4-3200が16GB(8GB×2枚)とゲームプレイにまったく問題のない容量。ストレージは512GBのNVMe SSD(PCI Express 3.0 x4接続)だ。多くのゲームを同時にインストールするには若干心許ないが、BTOでSSDを最大2TBまで選べるほか、最大2TBのHDDを追加で搭載しての注文も行える。最近では容量が100GB以上必要なゲームもあるだけに、大容量ストレージを構成できるのはうれしいところだ。

GPUには、NVIDIAの「GeForce RTX 3060 Laptop GPU」を搭載。ノートPC向けのミドルレンジGPUで、ビデオメモリはGDDR6が6GB。ブーストクロックは1,283MHzから1,703MHzの間で、電力は35Wから115Wの間で、メーカーの設計によって変えられる仕様だ。本製品では、ブーストクロック1,425MHz、電力110Wに設定されていた。RTX 3000シリーズは高いレイトレーシング性能に加え、画質の劣化を抑えつつ描画負荷を軽減するNVIDIA独自の高性能アップスケーラー「DLSS」が使えるのが大きな強みだ。

  • CPUは第11世代Coreプロセッサで8コア16スレッドの「Core i5-11400H」を搭載

  • GPUはノートPC向けのGeForce RTX 3060 Laptop GPUが採用されている

ディスプレイは17.3型で解像度はフルHDだ。表面は映り込みのないノングレア仕様でリフレッシュレートが144Hzと高いのが特徴。144Hzということは、それを活かしきるにはゲームで144fps以上のフレームレートを出す必要がある。これだけのフレームレートを高解像度で出すのはハイエンドGPUが必須なだけに、ミドルレンジのGeForce RTX 3060 Laptop GPUとフルHD/144Hz液晶の組み合わせはベターなバランスと言ってよいだろう。

  • メインディスプレイは17.3型の液晶。解像度はフルHD

  • 144Hzの高リフレッシュレートに対応

サイズはW396.9×D264.5×H25.4mm、重量は約2.59kg。17.3型液晶なので本体サイズが大きいのは仕方がないところだ。バッテリー駆動時間は公称で約5.5時間(JEITA測定法2.0)とゲーミングノートとして考えれば十分長い。ただ、サイズ的に持ち歩いて使用するシーンはあまりないだろう。

  • ゲーミングノートだがシンプルなデザインなので仕事や学業にも使いやすい

インタフェースは右側面にUSB 3.1 Type-C×1、ギガビットイーサ、microSDカードスロット、左側面にUSB 3.0×1、USB 2.0×1、マイク入力、ヘッドセット端子が備わっている。ヘッドセット端子とは別にマイク入力があるのは珍しい。好みのマイクを接続しやすいのはナイスだ。背面にはminiDisplayPort出力、HDMI出力、Thunderbolt 4が用意されている。

  • 本体右側面。microSDカードスロット、USB 3.1 Type-C×1、ギガビットイーサがある

  • 本体左側面。USB 3.0×1、USB 2.0×1、マイク入力、ヘッドセット端子を用意

  • 本体背面。miniDisplayPort出力、HDMI出力、Thunderbolt 4を搭載

  • ディスプレイの上部にはWebカメラを備える

  • ステレオスピーカーは底面に搭載

  • ACアダプタは大きめ。出力は180W

次に入力インタフェースを見よう。キーボードは日本語配列だ。詳しいスペックは公表されていないが、実測でキーピッチは約19mmと十分な広さが確保されている。矢印キーこそ小さめだが、それ以外のキーは特殊な形状もなくしっかりとしたサイズとなっており、キー入力は非常にしやすい。テンキーもあるので仕事に使いやすいのもポイントだ。

  • キーボードは日本語配列

  • タッチパッドはボタンが一体化しているタイプ

  • キーボードにはLEDを内蔵。アプリで発光コントロールが可能だ

性能実測、各ベンチマークテストの結果

ここからは性能チェックに移りたいと思う。まず知っておきたいのが本機には、動作モードとして動作音を静かにする「静音」、標準的な設定の「バランス」、性能重視の「パフォーマンス」が用意されている。モードは搭載アプリの「CONTROL CENTER 3.0」で変更が可能だ。今回はすべてパフォーマンスモードでテストを行っている。

  • 動作モードは「CONTROL CENTER 3.0」で変更できる

まずは、「PCMark 10」、「3DMark」、「CINEBENCH R23」、「CrystalDiskMark 8.0.4a」の結果から見ていこう。

  • PCMark 10 Standard Testの結果

  • 3DMark Fire Strikeの結果

  • 3DMark Time Spyの結果

  • 3DMark Port Royalの結果

  • CINEBENCH R23結果

  • CrystalDiskMark 8.0.0aの結果

PCMark 10のスコアは、6コア12スレッドのCPUだけに十分高い。普段使いで不満を感じることはないだろう。ちなみに、静音モードに変更するとPCMark 10のスコアは約14%ほど低下する。動作クロックを抑えて温度が上がらないようにし、静音性を高めるモードなので仕方のないところだ。それでも一般的な用途なら十分な性能なので、深夜など静かに使いたい場合には変更するのもありだろう。

ストレージの最大性能を見るCrystalDiskMark 8.0.0aについては、PCI Express 3.0 x4接続ということもあり、NVMe SSDとして見た場合はエントリークラスの速度だ。しかし、それでもSerial ATA接続のSSDよりもずっと高速。ゲームのロード時間が遅いと思うことはないだろう。

基本的なベンチマークはここまでにして、実ゲームのベンチを紹介していきたい。軽めのゲームとしてFPSの「レインボーシックス シージ」、中量級のゲームとして「Apex Legends」、高い性能を求める重量級ゲームとして「サイバーパンク2077」を用意。また、人気ゲームの「エルデンリング」も試す。解像度はすべてフルHDだ。

  • レインボーシックス シージのベンチマーク結果

レインボーシックス シージは内蔵のベンチマーク機能で測定した。最高画質でも144Hzのリフレッシュレートをフルに活かせる平均197fpsを記録。最小でも163fpsと快適にプレイできるのが分かる。

  • Apex Legendsのベンチマーク結果

Apex Legendsはトレーニングモードで一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測している。こちらも最高画質で173.5fpsと144Hzを十分活かせる。中画質まで落とせば、最小でも158.4fpsと144Hzを割り込まないのがポイントだ。

  • サイバーパンク2077のベンチマーク結果

サイバーパンク2077は内蔵のベンチマーク機能で測定した。さすが重量級ゲームだけあり、レイトレーシングを有効化した状態ではDLSSを使用しても平均45.99fps。ゲームを快適にプレイできる目安である60fps以上を出したければ、レイトレーシングは無効化してプレイするのがよいだろう。平均79.09fpsまで向上する。

  • エルデンリングのベンチマーク結果

エルデンリングはリムグレイブ周辺の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで測定した。このゲームは最大で60fpsまでしか出ない。最高画質では平均42.1fpsだが最小が30fpsと大きくは落ち込んでいないので、なんとかプレイできるレベル。フレームレートの落ち込みをなるべく減らしたいなら、中画質程度まで落としたほうがよいだろう。

最後にサイバーパンク2077を10分間プレイした際のCPUとGPUのクロックと温度をチェックしておこう。測定には「HWiNFO PRO」を使用している。

  • CPU/GPUクロックの推移

  • CPU/GPU温度の推移

CPUクロックは2.6GHz前後で推移、GPUクロックは1.9GHz前後で推移と十分高クロックで動作している。温度も時間経過で順当に上がっていくが、それでもCPU、GPUとも80度内と心配はいらないレベルだ。うまく高クロックを維持できるようにコントロールされていると言える。

最後に、G-Tune E7-WAは人気FPSをリフレッシュレート144Hzの液晶を活かせるだけのフレームレートを出すことが可能で、重量級のゲームもDLSSを使えば快適にプレイできるだけのパワーを持っている。コストパフォーマンスも高く、ゲーミングPCの入門機としてだけではなく、eスポーツ系のゲームに挑戦したい人にもオススメだ。