シャオミのスマートフォンブランド「POCO」が日本に上陸。第一弾として、最新のフラッグシップモデル「POCO F4 GT」を6月23日よりオンライン限定で発売する。Xiaomi公式 楽天市場店/Mi.comで扱うRAM 8GB+ROM 128GBモデルが74,800円、Amazon.co.jpで扱うRAM 12GB+ROM 256GBモデルが84,800円。6月23日19時~6月26日23時59分オーダー分までは、それぞれ64,800円、 79,800円の早期割引価格が適用される。
「POCO」はシャオミが2018年に立ち上げた新しいブランドだ。グローバルではすでにシャオミから独立したブランドとなっているが、日本での展開はシャオミ・ジャパンのリソースを使って行われる。自身もPOCOの立ち上げメンバーの1人である、シャオミ東アジア担当ゼネラルマネージャーのスティーブン・ワン氏は、同ブランドが想定するターゲットを「テクノロジー愛好家」だと説明する。
今や多くのユーザーを抱えるシャオミでは難しい、初心に立ち返った尖った製品づくりや新しいビジネスを模索するために立ち上げたブランドが「POCO」であり、コンセプトは「EVERYTHING YOU NEED, NOTHING YOU DON'T」。テクノロジーが好きなわゆるギーク向けに特別な価値を提供する、冒険心や遊び心のある機能に注力する一方で、不要な機能は削ぎ落として、高いパフォーマンスの製品をベストプライスで提供することを目指すという。
日本への展開を決めたのは、すでに越境ECで「POCO」の製品を購入しているユーザーの10%が日本からのユーザーであること、製品発表イベントなどへも日本からのアクセスやコメントが多いこと、先行してスタートしたSNSの注目度の高さなどが理由だという。また、大手キャリアのオンライン専用料金プランや、通信費と端末代の完全分離など政府の施策によるスマートフォンの買い方の変化、日本市場でのスマートフォン価格の高騰など、競争環境が変化したことも後押しになったとワン氏は説明する。「POCOであれば、市場環境の変化にも柔軟性を持って対応できる。ビジネスの観点から見ても、新しい価値を創出できると考えた」(ワン氏)という。
グローバルではローエンドからハイエンドまで幅広いラインナップをリリースしているPOCOだが、日本では最上位のFシリーズを展開する。「Fシリーズが最もよくブランドを表す製品であり、ほかにはない製品」(ワン氏)というのがその理由だ。シャオミ・ジャパンのプロダクトプランニング部 本部長を務める安達晃彦氏によれば、Fシリーズの「F」には「フラッグシップキラー」という意味が込められていて、グローバルでの総出荷台数はすでに420万台以上に上っているとのこと。速さとパフォーマンスに重点を置いたシリーズで、中でも製品名に「GT」がつくモデルは、プラスαのパワフルな価値を持つという。
日本におけるPOCO製品第一弾となる「POCO F4 GT」は、Fシリーズの中でもフラッグシップにあたる製品で、クアルコムのハイエンドモデル向けチップセットあるSnapdragon 8 Gen 1に加えて、様々なゲーミング機能を備える。ハイパフォーマンスを長時間持続させるため、独自の冷却システムである「LiquidCool テクノロジー3.0」を採用するほか、17分でフル充電が可能な急速充電対応の4,700mAhのバッテリーも搭載。120WのACアダプタに加え、充電しながらプレイしやすいL字型の充電ケーブルも同梱するなど、スマートフォンをフル稼動させられるパワフルな一台だ。
6.67インチ(2400×1080)の有機ELディスプレイは、120Hzのリフレッシュレートと、480Hzのタッチサンプリングレートをサポート。ハイレゾオーディオにも対応する4つのスピーカーによる迫力のサウンドのほか、ゲーム用のトリガーボタンがマグネットによってポップアップする、ユニークな機構も採用されている。このボタンには100以上の人気ゲームでテスト済みとのこと。またゲームのほか、カメラなどの機能を割り当てることもできる。
このほか6,400万画素のメイン、800万画素の超広角、200万画素のマクロのトリプルカメラを搭載。カメラ周囲のLEDが光るギミックも用意されている。インカメラは2,000万画素。生体認証は側面指紋認証センサーを備えるほか顔認証にも対応する。通信は5Gを含め、国内4キャリアの主要バンドをサポート。サイズは高さ162.5×幅76.7×8.5mmで、重さ210g。カラーはナイトシルバー、ステルスブラック、サイバーイエローの3色を展開する。
価格は冒頭で紹介したように、RAM 8GB+ROM 128GBモデルで74,800円~。同じSnapdragon 8 Gen 1を搭載するハイエンドモデルが、いずれも10万円を大きく超える価格設定となっていることを考えると、コストパフォーマンスは高く、注目を集める一台になりそうだ。
販売はAmazon.co.jp、Xiaomi公式 楽天市場店、Mi.comでのオンラインのみとし、大規模なプロモーションも展開しない。口コミを中心に知名度を拡大するなど、「新しいビジネスモデルを模索したい」(ワン氏)という。今後は、年に1機種のフラッグシップキラーモデルを発売する計画だ。