6月から7月にかけてはボーナス支給の時期。今年はいくらもらえるか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回はボーナスの中でも公務員の方に焦点を当てて、支給額、支給ルール、過去の支給額との比較等について書いてみたいと思います。
公務員の夏のボーナス、今年の平均支給額をチェック
三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社の調査によると、国家公務員のボーナスの平均支給額は 58 万4,900 円(前年比-11.5%)と大きく減少することが予測されています
理由は、公務員の給与を定めるルールである給与法の改正です。
公務員の給与は、民間の水準によって調整されます。今回、コロナ禍の2020年8月から21年7月までの民間のボーナス支給実績が反映され、民間企業に遅れてボーナスが大幅減少となる見込みです。
地方公務員のボーナスも同様に大幅な減少となる見込みです。
国家公務員に地方公務員を加えたデータは、みずほリサーチ&テクノロジーズが調査しています。その調査によると、地方公務員も含めた公務員の一人当たりボーナス支給額は、前年比▲10.6%と大幅マイナスの予想です。
地方公務員の給与のルールは条例で定められるため、国家公務員とは金額の算定ルールが異なります。ただ実際には、国家公務員に準じて給与を決定する自治体が多いため、国家公務員と同様に大幅減となる見込みです。
公務員のボーナスいつ支給される?
国家公務員の賞与の支給時期は法律で定められており、地方公務員については各自治体の条例で定められます。
具体的には、国家公務員の場合、夏が6月30日、冬が12月10日です。支給日が土日にあたる場合には、直前の金曜日に支給されます。地方公務員は、各自治体の条例によって定めらているため、自治体によって異なります。
一方で、民間企業であれば、6月下旬から7月上旬が多いです。時期に関しては、公務員と民間で大きな差はないといえるでしょう。
公務員のボーナス金額はどのように決まる?
前述の通り、国家公務員の賞与の算定基準は、法律で決まります。ですので、民間のように交渉権はありません。
一方で、仕事の成果によってボーナス金額が変化する点は共通しています。国家公務員のボーナスの内訳は「勤勉手当」と「期末手当」の2つです。この「勤勉手当」は仕事の成果に応じて支給される手当を指します。
この法律で定められる算定基準は、人事院の勧告に基づいて法律が改正されることで変化していきます。
人事院は、公務員が中立・公正に職務を遂行しているかチェックするため、国家公務員法によって設置された中立・第三者機関です。その職務として、給与等勤務条件の改定等を国会および内閣に勧告を行っています。
具体的には、国家公務員と民間の4月分の給与(月例給)を調査・比較し、ギャップを埋めることを基本に勧告を行っています。また、民間のボーナスの直近1年間(前年8月から当年7月まで)の支給実績を調査した上で、国家公務員のボーナス金額に関する勧告を行っています。
地方公務員の場合は、各自治体の条例で金額が決まりますが、国家公務員のボーナス支給額に準じる形で定められるため、間接的に影響があるといえます。
過去のボーナス金額との比較および今後の予想
公務員のボーナス金額の推移は、みずほリサーチ&テクノロジーズが今夏の予想と合わせて、各種公的機関のデータをまとめています。
昨年もやや減少していますが、2022年夏の減少幅が過去と比べても大きいことがわかります。民間が経済再開の動き等でボーナス金額が昨年よりも上向いているのと対照的です。
民間の水準に合わせて給与法が改正されたということは、冬のボーナスもその給与法が基準で算定されるということです。そのため2022年冬も大幅な減少が予想されます。
そして、今後経済の回復が進んだとしても、それを反映するには再度給与法を改正しないといけないため、景気がよくなったときに恩恵を受けるのにも時間がかかってしまいます。
まとめ
このように、コロナ禍による経済へのダメ―ジが本格的にボーナスに波及するのが2022年夏の公務員のボーナス金額の特徴です。
過去にもボーナス金額が大幅に減少した時期はありましたが、その影響は今回の方が大きいかもしれません。なぜなら、社会は昨今、物価上昇でいろんな物の値段が上がっているからです。
公務員の方は、ボーナス金額減少の影響を考え、家計の守りを昨年以上にぜひ意識してみてください。
人事院ホームページ:ー給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイントー勧告の詳細