iPhoneはスチルカメラとしてだけでなく、ビデオカメラとしての実力もかなりハイレベル。iPhone 12以降のモデルは、4K解像度で撮影できるのみならず、強力なHDR動画規格「Dolby Vision」をサポートしています。
Dolby Visionで撮影したビデオは、明るさ/最大輝度が従来基準のビデオ(SDR)ひと味もふた味も違います。シーンごとの輝度分布をメタデータとして映像ストリームに埋め込むしくみは、AppleとDolbyの共同開発によるもので、2022年現在この方式をサポートするスマートフォンはiPhone以外わずかです。
しかし、iPhone以外であまりサポートされていないということには困った一面が。iPhoneで撮影した動画をほかのスマートフォンやテレビで見ると、Dolby Visionならではのデータがうまく解釈されず、輝度の高い部分がぼんやりとしてしまうことがあるのです。LINEなどの現状Dolby VisionをサポートしないSNSサービスで送る場合も同様に、白っぽくなるなど本来の画質が損なわれてしまいます。
友人・知人とシェアすることを前提とした動画を撮影する場合は、あらかじめDolby Vision/HDRを無効化して撮影するといいでしょう。せっかくのiPhoneの撮影能力をスポイルすることにはなりますが、友人・知人がどのスマートフォンを使っていても同等の表示となるうえ、動画のファイルサイズが10%程度コンパクトになるというメリットもあります。
手順はかんたん、「設定」→「カメラ」→「ビデオ撮影」の順に画面を開き、「HDRビデオ」スイッチをオフにすればOK。これで、iPhone 12以降のモデルで撮影するビデオは、SDRで保存されるようになりますよ。