帝国データバンクは6月22日、日本企業の「ロシア進出」状況調査(6月)の結果を発表した。それによると、2022年2月時点でロシアへの進出が判明した国内上場企業168社のうち、6月19日までにロシア事業の停止や制限・撤退を発表・公開した企業は74社(44%)となり、前月より3社増加した。
ロシア事業の停止・撤退を発表した企業は、3月時点で全体の22%にとどまったものの、4月時点では36%に急増し、3~4月にかけて日本企業で「脱ロシア」の動きが相次いだ。しかし、5月時点でロシア事業の停止を表明した企業は前月から11社の増加にとどまり、6月は3社とさらに減少した。
一方、受注残や、ロシア国内での新規事業の投資負担から現地事業を当面継続する企業も判明。同調査では、「ロシア事業に対する姿勢は各社で温度差が見られるものの、総じてロシア事業を見直す動きはここにきて後退局面入りがみられる」と分析している。
事業の停止や中断となった企業の内訳では、「取引停止」が最も多く35社。次いで「生産停止」が14社、「営業停止」が10社と続き、ともに前月から横ばいとなった。ロシア事業からの撤退は4社で、前月から1社増加した。
また、帝国データバンクが米エール経営大学院の集計をもとに、各国の「ロシア事業撤退(Withdrawal)」の割合を分析した結果、全世界の主要企業約1,300社のうち、24%に当たる300社超がロシア事業撤退を表明したことがわかった。
主要国では、英国企業は約半数、米国企業も約3割がロシア事業から撤退。一方、日本企業は同社の調査で2.4%、エール大の調査でも1.7%と、イタリア(5%)を下回り主要7カ国中最も低い水準であることが明らかになった。
調査は、同社が保有する企業データベースに加え、各社の開示情報を基に、工場や事業所、駐在員事務所などの設備・施設、直接出資などでロシア国内に関連会社を有するなどの形で、2022年2月時点に進出が判明した上場企業168社を対象に行われた。