アイドルグループ・乃木坂46の久保史緒里が、パルコ・プロデュース 2022 舞台『桜文』の主演を務めることが22日、明らかになった。

久保史緒里

久保史緒里

同作は古き良き日本を舞台に、幽玄でエロティック、情感あふれる物語をユニークな感性で美しく描きだすことに定評のある秋之桜子による書下ろし作。明治中期の吉原を舞台に、当代随一と謳われる花魁・桜雅(久保)をめぐる耽美な悲恋の物語を描く。

演出を手がけるのは寺十吾で、秋之とは『西瓜糖』でタッグを組んでいる。久保は吉原随一の花魁・桜雅を演じ、さらに若手個性派俳優のゆうたろうが、桜雅が少女時代に心から想い合っていた相手・仙太と、他人の空似ながら仙太と瓜二つの容貌だったために桜雅と深くかかわっていく小説家志望の青年・霧野一郎の二役に挑戦する。

禿上がりの若い遊女である振袖新造の葵役は松本妃代、桜雅の髪を結い続け吉原随一の花魁となっても心許し信頼した髪結い・与平役は石倉三郎が務め、当代きっての大店、紙問屋の旦那で、物語が大きく動くきっかけとなる桜雅の豪華絢爛な花魁道中を開く西条宋次郎役に榎木孝明が決定した。石田圭祐、阿知波悟美、加納幸和、木村靖司、有川マコト、塾一久といった演技巧者も集う。

東京公演はPARCO劇場にて9月5日~25日、大阪公演はCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて10月1日〜2日、愛知公演は名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)にて10月 5日、長野公演はサントミューゼ(上田市交流文化芸術センター) 大ホールにて10月8日

脚本: 秋之桜子 コメント

三年前、お声がけ頂き、気がふれるほど美しく儚い物語をPARCO劇場で描きたいと『桜文』が立ち上がりました。コロナ、戦争と世界は大きく揺らぎましたが、この物語を紡ぐことが出来、上演となったこと嬉しく思います。主役の花魁役には乃木坂46の久保史緒里さん。清楚な透明感とともに憂いを帯びた目と儚さで、この舞台に様々な香りを放って頂けることでしょう。相手役の若き文士には優しい笑顔の中に男を感じさせるゆうたろうさん。そして人気実力とも充実の榎木孝明さん、石倉三郎さん。花組芝居の加納幸和さんはじめ骨太な舞台人の参加も決まり、演出は秋之と何度もタッグを組む寺十吾さんとなれば、そこにもう『桜文』の世界が匂い始め、この秋が待ち遠しくてなりません。

演出:寺十吾 コメント

これ言っていいのかしら? 実は作家の秋之桜子さんは元文学座の女優、山像かおりさんなんです。しかも秋之さんはある限定された時間内にのみ山像さんに降りてくるらしく、だから山像さん? に戯曲の質問をしてもまるでちんぷんかんぷん。これウソじゃ無いんです。今まで秋之さんと何度も仕事をしましたが本当なんです。現に秋之さんから夜中にメールが来ると山像さんのメールとはまるで質感が違って、しかも何かに取り憑かれたかの様な長文が多いんです。その秋之さんが今回描いた『桜文』は、文才に恵まれた花魁と美しい言葉や文章に恋焦がれた明治の若き文士との激しくも禍々しい恋の物語です。もちろん主人公の久保史緒里さんもゆうたろうくんも何かに取り憑かれないとこの作品に飲み込まれてしまいます。2人に一体何が憑依するのか? お楽しみに!

久保史緒里 コメント

私が演じる桜雅は悲しい過去を抱えている、明治中期随一といわれていた花魁です。
今回の台本を読ませていただき、この作品の世界観や桜雅の過去に触れて、パワーと衝撃のある作品だと思いました。
花魁役を演じるのは初めてなのですが、目に見える部分は豪華で美しく綺麗でも、苦しい過去を抱えていたりと、その一人一人の背景を知れば知るほど深い世界だと思います。今回の役を演じる上で、当時の感じや所作はもちろん、いかに桜雅が過去に抱えている悲しさを表現できるか、というところもポイントになってくると思うので、頑張りたいです。
今回の作品は私にとって挑戦となる舞台です。演出の寺十さんや大先輩の共演者の方々と一緒に演じていけたらと思います。作品の世界の絢爛さを舞台上からお届けいたしますので、ぜひ楽しみに劇場にお越しいただけたら嬉しいです。

ゆうたろう コメント

霧野一郎役のゆうたろうと申します。
『桜文』は僕自身はじめてのテイストの作品、そして久しぶりの舞台出演という事で気合いと高揚感とともに不安とプレッシャーをすごく感じています。課題も沢山ありますが稽古を重ねていく上で少しずつ役と共に成長出来る様全力で挑みますので是非期待していてください。それでは劇場でお会いできることを楽しみにしています!

榎木孝明 コメント

初めての台本をワクワクしながら一気に読みました。興奮を覚えつつ、同時にストーリーは私の中で映像化していました。初見でそれが出来るか出来ないかは、舞台が成功するか否かの大きな条件です。もちろん今回は大成功で大傑作となり、満足げなカーテンコールの自分まで見えました。
男の色気に加えて醜い嫉妬心まで要求される作品です。何とやり甲斐のある役柄でしょう。寺十吾さんは是非やらせてもらいたかった演出家です。出会いに感謝して精一杯努めたいと思います。