対外的な強化では、エッジAIと既存技術の応用がカギに

対外的な強化方針の1つ、新ソリューション創出では、同社のAIエッジコンピュータ「AE2100」を軸としたAIエッジ戦略が掲げられた。

  • AIエッジコンピュータ「AE2100」

    AIエッジコンピュータ「AE2100」。ディープラーニングの推論環境を提供するインテルのOpenVINO ツールキットとAIアクセラレーターのインテル Movidius Myriad X VPUを搭載。税別で18万円という価格もメリットの1つだという

同社では交通、建設、防災、金融、製造、海洋などの幅広い業種で実証実験などを通じた、95社の「共創パートナー」を有し、AIエッジ領域のエコシステム「AIエッジパートナーシップ」も119社が名を連ねている。

これらのエコシステムを通じ、AE2100を軸としたさまざまなDXソリューションの提供を強化していく方針だ。

たとえば、交通の分野だと、三重県と実施した「交通量観測システム」の事例が挙げられた。新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的に、AE2100を活用し、交通状況をリアルタイムでモニタリング。交通状況の推移を公表、県民の行動変容を促すなどの取り組みに用いたという。

また、既存ソリューションの強化の部分では、フロントシフトとビジネスプロセスサービスの例が挙げられた。どちらもOKIが長年培ってきたものづくりの技術を応用し、顧客に提供した事例となる。

フロントシフトでは、近年、労働力不足や新型コロナウイルス感染症拡大などの影響で高まっているレジや窓口のセルフ化に、同社がATM製造で長年培った自動化技術を提供することでフロントシフトを支援したという事例が紹介された。

また、ビジネスプロセスサービスでは、クライアントの業務のノンコアプロセスに関してのアウトソーシングニーズに、OKIのものづくり技術や保守・運用技術を応用し、提供した事例が紹介され、具体例として、同社が提供しているEMS(設計・製造受託サービス)やATM運用のフルアウトソーシングサービスなどが挙げられた。

OKIは、これらの社内、社外への取り組みを通じ、DX事業を全体の売り上げ比率の30%超まで伸ばしていくとしている。