がん患者に寄り添う独自のサービスを提供
記者発表会に続いて行われたメディア向け内覧会では、三井ガーデンホテル柏の葉パークサイドの設備や、導入されるサービスについての紹介が行われた。
ゆとりある空間を目指した客室
客室はストレッチャーの搬入を想定した広い間口や、車いすでの移動に不自由しない洗面スペースなど、ゆとりある空間が特徴となっており、病院に隣接したホテルとしてのニーズに対応した設計が施されている。
専任のケアスタッフが24時間常駐
ホテル内では、24時間体制で専任のケアスタッフが常駐しており、各客室に設置された館内電話や呼び出しボタンから連絡が可能だという。また共用部にはAIカメラを試験導入し、異常行動の検知を行うことで迅速な対応につなげるとしている。
ヘルスケアサービスを提供など、パートナー連携も加速
同ホテルでは、NTTデータが提供するウェアラブルデバイスを使用したバイタルデータ管理サービスや、リンクアンドコミュニケーションのAI健康アプリを活用した食事管理機能も提供される。これらのデータは、本人の同意がある場合に限るが、常駐するケアスタッフが閲覧することができ、データを活用した体調の把握を可能としている。
また、ホテルの2階にはラウンジが設けられ、資生堂によるがん患者向けメイク講座なども行われるとのことだった。
ホテル内に外来拡張エリアを設置
ホテルの2階の一部には国がん東病院の外来拡張エリアが設けられ、10室の診療室が設置される。そのうち2室はオンライン診療にも対応しており、がん治療で大きなニーズがあるセカンドオピニオンとしての利用が期待されるという。
病院内でホテルの宿泊予約も可能
また、国がん東病院内にはホテル専用の予約ブースを設置。次回の診察日が決まった段階でホテルを予約することができ、患者の負担を軽減できるとした。
がん患者に寄り添う食事は部屋まで配送可能
ホテル1階にはカフェ&レストラン「丁字屋 KASHIWA-NO-HA」が出店。朝食では、量や味の調整が難しいがん患者の食事に配慮した、体に優しい食材を使ったビュッフェスタイルの食事を提供するという。
また、体調などの面からレストランでの朝食が困難な場合は、同レストランのお弁当を客室に届けるサービスもあり、ホテル開業時には試験運用としてアスラテックの配送ロボット「RICE」による自動配送を行うとのことだ。
三井不動産の担当者によると、がん患者特有の事情として、体調悪化による移動の障壁はもちろん、対面の際にウィッグやメイクを必要とする場合が想定されるといい、ロボットによる食事の配送はこれらの負担を軽減することが期待されるとした。