ペッパーランチ 八重洲地下街店が6月21日より新規オープンした。次世代型ビールサーバーのKIRIN TAPPY(キリンビール社)、およびキオスク端末を導入した新型モデル店舗で、お客様価値を高めつつ、省人化、省スペース化、感染予防、フードロス削減を実現した。ペッパーランチでは同店舗を標準モデルとして、今後、駅前や駅ナカにも店舗進出していきたい考えだ。関係者に話を聞いた。

  • ペッパーランチ 八重洲地下街店が新規オープンした。その狙いは?

次世代型ビールサーバーのKIRIN TAPPYを導入した新店舗

ペッパーランチ 八重洲地下街店は18.82坪という限られたスペースながら、座席間隔に余裕を持たせた28席を用意した新型モデル店舗。新たな機器配置、新システムの導入により厨房エリアを従来比60%まで圧縮し、席間スペースは20%アップさせたという。

  • ペッパーランチ 八重洲地下街店の店内イメージ。実際は席にアクリル板が設置されている。営業時間は11時から22時まで

従来のホールスタッフによる提供方式をセルフ提供方式に変更。入り口には2台のキオスク端末を設置し、来店者のレジ待ち時間を解消する。ちなみに決済画面が表示された段階で、厨房ではステーキを作り始めるとのこと。提供時間の短さにもこだわっている。

  • 注文から会計までキオスク端末で行う。支払いは現金、クレジットカードのほか、電子マネーなら交通系IC、楽天Edy、iD、QUICPay、WAON、nanacoなどが利用できる

  • 間髪を入れずに料理を作り始める厨房スタッフ

そして次世代型ビールサーバーのKIRIN TAPPYを導入した。コンパクトな筐体のため場所を取らず、また軽量ボトルを使用するためにスタッフの交換作業の負荷も大幅に削減。さらにはフードロス削減にも貢献する。関係者によれば、従来型のサーバーは毎日の洗浄で必ずジョッキ1杯分(300mlほど)のビールが無駄になっていた。それがKIRIN TAPPYの導入により、ロスはほぼゼロに抑えられるとする。

  • KIRIN TAPPYの利用イメージ。店内ではキリン一番搾り(中)などを提供する

新型モデル店舗、オープンの狙いは?

メディア内覧会では、ペッパーランチを運営するホットパレット 代表取締役の松本純男氏が登壇して挨拶した。コロナ禍により外食がリスクとなり、大人数での飲食も敬遠されるようになった現在。松本氏は「1度の外食が貴重なものになり、お店でしか食べられない物が求められるようになった。自分へのご褒美として外食をする方も増えており、より品質の良さに重きが置かれるようになった」と分析する。

  • ホットパレット 代表取締役の松本純男氏

そこでペッパーランチでは「より快適でより楽しめる空間」をコンセプトに、新たな出店計画を進める。具体的には、従来のフードコートに加えてレストランコート、駅ビル、駅ナカ、駅チカ(路面店)にも出店していく方針だ。「日常生活のなかで使いやすい、身近にあるレストランを目指していきたい」と松本氏。

  • ペッパーランチでは今後、多様な場所に出店していく構え

ちなみにペッパーランチは2022年7月末時点で国内195店舗、海外305店舗を展開している。国内ではフードコートが160店舗と大きな割合を占め、路面店は31店舗のみ。これを2025年までに国内400店まで拡大する(中期経営計画より)。

  • 「お肉たっぷりビーフペッパーライス(M)」(980円)

ホットパレットでは、限られたスペースに新規オープンさせたペッパーランチ 八重洲地下街店で得られた経験をもとに、これまで出店が難しかった駅前、駅ナカの敷地面積の小さな立地にも出店していく。

  • こちらは新商品「The Lemonサーロインペッパーステーキ」(1,280円)

松本氏は「お客様に向けてより快適で清潔な空間をつくり、また従業員に向けてより働きやすい環境をつくりながら、ペッパーランチを成長させていきたい。その一里塚としてペッパーランチ 八重洲地下街店を営業していきます」とまとめた。

このあと、キリンビール 企画部の日髙大彰氏が登壇した。これまでも外食産業と積極的に関わってきた同社。例えば、個性豊かなクラフトビールを楽しめるTap Marché(タップ・マルシェ)を様々な飲食店に展開してきた。日髙氏は「お客様の笑顔と、ビールという素晴らしい飲み物を広めていただける外食の活性化が私たちのゴールです」と説明する。なお全国チェーンにKIRIN TAPPYを導入するのは、今回のペッパーランチが初めてだという。

  • キリンビール 企画部 主幹の日髙大彰氏

日髙氏はKIRIN TAPPYのメリットを3つ挙げた。まず、容器がコンパクトなために小型店舗にも導入しやすい。従来型のサーバーは7~20リットルの樽を使用していたが、KIRIN TAPPYは3リットルのボトル✕2本を使用する。また、容器全体を冷蔵できるのでいつでも冷えたビールが楽しめる。そして、ビール経路が短いことでビールを無駄にしない。従来型のサーバーでは機器内のチューブ(10mほど)に溜まったビールを営業終了後に廃棄する必要があったが、KIRIN TAPPYではビールロスをなくせる。

  • ボトルを入れ替える様子

しかしイチバン大きな特徴は、ビールが美味しくなったことだという。「小容量なため飲み切るまでの回転が早くなりました。そのため、美味しさが増しています」と日髙氏。美味しいお肉と一緒に、美味しいビールをたくさんのお客様に楽しんでいただければ、と話していた。

  • アツアツのステーキとキンキンに冷えた生ビールを楽しみたい

なおペッパーランチでは7月7日に新商品「The Lemonサーロインペッパーステーキ」(1,280円)を全国の店舗にて発売する予定。これに先駆け、ペッパーランチ 八重洲地下街店では同商品を6月21日より先行販売する。担当者は「長崎県佐世保発祥のレモンステーキをペッパーランチ風に仕立てました。特製レモンソースとサーロインステーキの相性が抜群で、夏にぴったりのメニューです」とアピールしていた。