東北大学は6月17日、1932年に東北大で発見され、HDDの磁気ヘッドなどに応用されてきた「センダスト(FeAlSi)合金」の優れた軟磁気特性の発現機構の謎を解明し、これまで信じられていた事実とは異なる、原子規則度の制御によって、広い組成範囲で軟磁気特性を実現したことを発表した。
同成果は、東北大大学院 工学研究科の赤松昇馬大学院生、同・大兼幹彦教授らの研究チームによるもの。詳細は、米物理学会が刊行する応用物理学全般を扱う学術誌「Applied Physics Letters」に掲載された。
今から90年前、東北大 金属材料研究所の増本量名誉教授と山本達治氏により発見され、“仙台で生み出され、粉(ダスト)にしやすい”ことに由来して命名されたセンダスト合金は、優れた軟磁気特性を示すことで知られ、これまでバルク状態でHDDの磁気ヘッドなどに用いられてきたものの、それ以降長らく新たな研究報告例がなかったという。そこで研究チームは今回、センダスト合金をスピントロニクス材料として応用することを目的に研究を進めたとする。