街のいたるところで見かける自販機。街角に自販機がある国は世界的には珍しいですが、日本では自販機のある風景が当たり前になっていますよね。

最近では、観光地を中心に悪目立ちしないようにと自販機全体を茶色に塗るなど、景観に配慮した自販機を見かけることも増えてきました。

そんな中、𝙎𝙖𝙝𝙤.𝙚𝙭𝙥𝙡𝙤𝙧𝙚𝙧(@urbex_34)さんが「街の景観に配慮しすぎた自販機」として投稿したのが、一台の自販機の画像。

自販機全体が木製のカバーで覆われ、古い町並みと完全に一体化しています。

街の景観に配慮し過ぎた自動販売機。(@urbex_34より引用)

  • (@urbex_34より引用)

本来であれば全体が目立つ赤で塗られているであろうブランドの自販機。こうして木造家屋に溶け込んでいると、近くを通っても自販機だと気づかないかもしれません……。

景観に配慮した自販機はあちこちで見られますが、ここまで周囲の風景と一体化した自販機はさすがに珍しいのではないでしょうか。

この投稿に対しリプライや引用リツイートでは、「わざわざ見に行きたい! と思ってしまうくらい素敵」「なにこれカッコいい!」といった称賛の声が続々。「し過ぎてない。日本中コレがいい♪」「やるならこのくらいやらなきゃ!!」といったコメントも相次いだほか、「私もこれ見た時感動しました」など、実際に見たことがあるという人もチラホラ。

「パッと見横の鍵穴が見当たらないけど、どうやって商品補充するんだろう」という疑問も挙がっていました。

このユニークな自販機はどこで見かけたものなのでしょうか? このツイートをした𝙎𝙖𝙝𝙤.𝙚𝙭𝙥𝙡𝙤𝙧𝙚𝙧さんにうかがいました。

「景観に配慮しすぎた自販機」、投稿者に聞いてみた

――この自販機の写真はどちらで撮影されたものでしょうか?

鳥取県大田市の世界遺産・石見銀山がある大森地区で撮影しました。こちらは、重要伝統的建造物群保存地区に選定された場所でもあります。

――最初見かけたときに自動販売機と気づかれましたか??

古い街並みを撮影するのが趣味で、この日もいつも通り建物の撮影をしにきていました。この自動販売機は高台にある駐車場から見下ろせる位置にあり、駐車場から街並みを撮影した際に気づきました。

最初は「格子状の変なかたまりがあるな」と思ったんですが、近づくことによってようやく気づけました。景観に配慮した自動販売機としては、完璧に溶け込めていると思います。

――この自販機の写真、17.2万いいね(6月20日時点)と多くの反響が寄せられていますね。

そういえば昔面白い自販機を撮っていたな、と軽い気持ちで探し出しアップしたので、ここまで反響が得られるとは思ってもいませんでした。


今回注目を浴びた自販機がある大森地区は、江戸時代初頭に石見銀山の政治・経済の中心地として栄えた場所。自販機の写真を投稿した𝙎𝙖𝙝𝙤.𝙚𝙭𝙥𝙡𝙤𝙧𝙚𝙧さんは、周辺の風景もあわせてシェアされています。

  • (@urbex_34より引用)

この大森地区は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、2007年には世界遺産にも登録されましたが、今なお暮らしの場であり続けています。

  • (@urbex_34より引用)

銀の採掘で栄えた当時の面影を残すノスタルジックな街並みと、人々の生活の場ならではのぬくもりが同居する、まさに歴史の生き証人のような大森地区。そんな場所であの自販機を見たら、感動もひとしおではないでしょうか。