フジテレビは、きょう17日から無料配信される松井玲奈主演のFODオリジナルドラマ『30禁 それは30歳未満お断りの恋。』(全8話)で、AI技術を用いたプレイスメント「iCADs」を本格的に始動する。
「iCADs」は、“in Contents Ads”の略称で、動画コンテンツ本編内に広告情報を付与するAVOD(広告情報付き無料動画配信)の新たな形。短期間でコンテンツ内に広告情報や商品情報を合成・再構築し、“元の番組とは異なるコンテンツ”として配信するサービスだ。
これは、フジテレビがイギリス・ロンドンを拠点とするデジタル・プレイスメントの専門会社MIRRIAD社と共同で開発した配信コンテンツ向け広告情報サービスで、視聴ユーザーが配信コンテンツ視聴中に、インストリーム広告によって中断されることのない快適な視聴体験や、情報付与による新たな楽しみ方の提供を目的としている。
これまでフジテレビでは、今年2月にSDGs関連ドラマ『木のストロー』の無料見逃し配信で、「iCADs」の実証実験を実施しており、今回の本格始動では、ミュゼプラチナムの動画広告や交通広告、ポスターをコンテンツ本編内に合成・再構築し、TVerとGYAO!でiCADs版を配信する。
『30禁』の第3話では、建物の壁面に元々貼られていなかったポスターを合成。シーンに合わせてポスターが“自然に”映り込む仕様を採用するなど、各話で「iCADs」を駆使したプレイスメントを見ることができる。TVer、GYAO!では、「iCADs」版を、FODでは通常版を配信するため、プレイスメント前とプレイスメント後を比較して楽しむことも可能だ。
通常のAVODは、動画の前後や途中にインストリーム広告が入る構造となっているが、「iCADs」では動画本編に看板などの広告情報や商品情報を合成することで、ゆくゆくはコンテンツが途切れることなく一気に視聴可能なAVODや、コンテンツとインストリーム広告のスムースな連携も可能になると想定しているという。
将来的には視聴ユーザーの属性に応じて配信コンテンツ内の広告情報を出し分けるなど、「視聴ユーザー属性に対応した動画内広告」の実現を目指し、検証を進める予定としている。